もう10日も前の話。猫町フェス2021はいよいよ開催当日に。前日譚で書いたように朝方まで映像のことでみんな超寝不足。しかもライブ会場のスターパインズカフェに朝9時半入り。淡々と準備をするも、映像をスクリーンと配信に同時に出すのがどうしてもうまくいかずリハーサルと並行して延々トラブルシューティング(結局イトケンさんがPC触って解決!)。あっという間に開場時間が迫るなか、長男堂のお弁当を食べて栄養補給。この日はメンバースタッフ全員、抗原検査で陰性を確認してライブに挑みました。
猫町フェス2021は峯村リエさんの諸注意からスタート。「ダメ!絶対」リエさんは一貫してツンデレ(基本ツン)キャラを演じることに。北山大介さんが吉祥寺を練り歩き撮ったオープニング映像、音楽は近藤さん。そこから続くむぎ・近藤・山田のソロコーナーは当日まで誰が何を歌うのかわからないまま本番を迎える。むぎちゃんは夏の配信で歌っていた新曲、とても良い曲。何もMCせずに始まった近藤さんの演奏、裏からこっそり覗くと天を仰いだり真剣な顔つきだったりお芝居が始まっている!僕も思いつめた真剣モードでいくことにした。「失敗や挫折をしたことがない人は新しいことに挑戦しない人だ」というアインシュタインの言葉を紹介したのは、この日絶対大きなミスや間違いがあるはずだから予防線を、と思ったのだ。僕はまだタイトルのない新曲を歌いました。今回イノトモちゃんが初めて持ち曲を歌った。交差するパラレルの国、と歌われる「眠る猫」はこの日のステージの象徴的な瞬間に。
MAGICAL MUSEUM TOURと名付けられた5分ちょっとの映像が流れる。吉祥寺美術館が閉まった後でみんなで集まって北山さんが撮った、リハーサルを一回やっただけの、奇跡みたいなワンカット映像。彫刻家はしもとみお、赤いツナギが眩しくハレーション。リエさんに怒られるのホント気持ちいい。ミーアキャットの音楽隊の絵からステージへ。「猫町オーケストラ」は男(オス)の3声の重なりがとても爽快。むぎちゃんの「夢から醒めた夢」も演奏してて「これぞバンド!」って感じになる。「第2の人生」が今回むぎちゃんパートが加わって「第2のニャン生」に。グッときて可愛い。これもこれから定番曲になるのかな。
ここでむぎちゃんに代わってステージに登場したのは音楽家はしもとみお。皆さん薄々予感はしていたでしょうか、それともサプライズだったでしょうか、猫町音楽隊についにバイオリニスタみおさんが参加。「Song for Serena」はとにかくスクリーンの映像と照明が美しくて演奏しながら見惚れてしまった。「月あかりのナイトスイミング」はこれまでも富山、広島とみおさんと一緒に演奏してきたけれど、フルバンド編成でやれて感慨深い。またむぎちゃん颯爽と登場して「三億年後に会いましょう」、ギターソロのところ、僕はむぎちゃんと、みおさんは近藤さんと背中あわせて最高だったな。
美術館学芸員のリエさんから怒られて連れ戻されるみおさん、そして猫町バンドメンバーは「いい子にしてなさいよ」と念を押されるが、演奏するのは「るすばん天国」。スクリーンには美術館をめちゃくちゃに散らかす映像が。去年も一昨年も猫町フェスは会場を風船まみれにしたんだけど、今年は映像のなかで美術館を信じられないくらい散らかした。みおさんは彫刻を彫り出す始末。この撮影のためにチミママを彫るために型取りされた重たい楠の木を東京まで輸送したのでした。で、またしっかりリエさんに怒られるメンバー。声の響きがわれわれと全然違う。体が鳴ってる!
全員ステージから去り、ステージには片付いた美術館が映し出される。「猫町交差点」と名付けられた映像、シャ!っという音楽は近藤さん作。「いきものたちの交差点」を歩く猫町メンバー、次第にめまぐるしく魔法がかかって変身していく。そして全員が紺色のツナギ姿になって、ダンスの始まり。「crossroads of all living things」というタイトルの近藤さん作のトライバルなナンバー、振付担当はむぎちゃん、メンバーは必死になって3日でマスターしました。舞台裏でも実際にみんなツナギに衣装替えするのでドタバタ。画面が暗転するとこんどは実際のステージに猫町メンバーがイン、生演奏が始まりました。「Get Up and Dance」と重なるコーラス。次回もっと客席に自由が戻ってきたらみんなで踊れたらいいな。
沸点に達したステージは続く「アガってく音頭」でさらに温度が上昇。イノトモちゃんとリエさんのうちわを使った踊りがかわいい。この曲は最初の猫町フェスから演奏してるけど、ほんとアガる。そしてみおさんがまたステージに登場、トントントンと木槌を叩く音から「toi toi toi」かと思わせて、書き下ろし新曲の「猫町音頭」。この振付もむぎちゃん。僕なんてギターも弾かずに踊る。なんだかものすごい多幸感だ。これ絶対来年の夏にみんなで輪になって踊りたいやつでしょう。
アンコールは定番曲「日向の猫」、イノトモちゃんのコーラスも加わってより重層的に。これもみんなでラララって声を合わせて歌いたかったな。でも心の声がちゃんと聞こえました。「君に会いに」はみおさんのバイオリンが入ってついに完成形!という感じがしました。そして改めて「toi toi toi」でみんなの幸せを願って猫町フェス2021は大団円。人間も猫もみんな幸せでありますように。終演後のオフショット映像は「なんか、ジャッキー・チェンの映画の最後のNG集みたいなのがあったら楽しいよね」という企画だったんだけど、みんなほとんどNGを出さなかったのです、今回。ものすごい集中力でした。映像出しなんて通しリハなしのぶっつけ本番だったのにノーミスを達成、ステージ進行的にも大きなトラブルや間違いもなくて、僕が予防線を張ったアインシュタインの言葉に再び触れる必要もなかった。関わったすべてのみんなの気持ちと覚悟がこの公演を大成功に導いたと思います。そしてこの複雑な構成の公演をあっという間に完全把握して素晴らしい配信とステージ設営でサポートしてくださった吉祥寺スターパインズカフェのスタッフ陣に心より感謝を。
そして最後にもちろん、ご来場いただいた皆さん、配信でご覧いただいた皆さん、本当にありがとうございました。また次回お会いしましょう。
(photo by ka-ko)
はしもとみおによる猫町メンバーのイラストをフィーチャーして猫町フェスデザイン担当吉積里枝が手掛けた猫町フェス2021Tシャツが本日9月30日いっぱいで受注受付締め切りとなります。本当にかわいくて素敵なTシャツ、完成が楽しみです。お申し込みお急ぎください。
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