先週の名古屋・関西ツアーを振り返ります。リハーサルをやったのは東京が大雪の日だったのに、快晴であたたかい陽気に恵まれた旅となりました。僕は車で、他のメンバーたちは思い思いの方法で現地集合ということに。久しぶりのロングドライブ、このワクワクする感じをどんどん思い出していく。運転が好きなんだな、きっと。富士山が珍しくきれいに姿を見せてくれて「予祝」という言葉を思いました。予定より1時間早く名古屋に着いたのでいつも行くレコード屋さんに立ち寄る余裕も。大好きな会場、KDハポンに到着。みんなも時間通りに。全員まじめ。

この日はサウンドチェック・リハーサルの段階からいいライブになるような気がして、いつもは開場時間ぎりぎりまで練習してしまうんだけど、「これくらいにしとこう」と早々にリハを切り上げた。サポートのメンバーがいるとその人のために確認とかおさらいとかやるのが、4人だとそういうのがいらない。雪の日のリハで誰かが「4人だと気楽だな」と言ったのはそういうことなのかもしれない。

金曜日の夜、お客さんもいい感じに入って嬉しい。リラックスしていたのか最初からたくさんおしゃべりしすぎた。オープニングは「tsubomi」、結成30年とメジャーデビュー25周年の始まりにふわさしい。奇しくもテイラースウィフトが“The Eras Tour”で来日中だったのだけど、今回の名阪のライブはGOMES THE HITMAN的 “eras tour”と言える。様々な時代の楽曲を時系列で。まず “weekend era”で「光と水の関係」「何もない人」と軽快に。「何もない人」は上から目線のリクエストをいただいて、それをいじったら御本人から「ごめんなさい」と聞こえてきて一気に会場の雰囲気が楽しくなった。「お別れの手紙〜train song」「ready for love」と続き、ときおり頭上から電車の音が聞こえてくるのもKDハポンならでは。
「思うことはいつも」から始まる“三部作 era”、「北風オーケストラ」「keep on rockin'」と続き、バレンタインが近いということで「恋の見切り発車」を。ギタレレとアコーディオンでアコースティックに「coffee」、客席からのコーラスの声もとてもきれいで感動しました。時代は進んで『mono』『omni』と連なる “00-ism era”。「別れの歌」「夜明けまで」「愛すべき日々」、曲調や歌詞の雰囲気が変わっていくのが面白い。「明日は今日と同じ未来」で前半終了。

新曲を3曲、東京以外の街で初めてバンドで鳴らす。「余韻」は演奏するたびにシンプルでスタイリッシュになっていく感じがする。堀越メンバーがギターを持つ「レモンティーと手紙」も飛び道具や“ネタ”という感じがなくなってきて普通にGOMES THE HITMANの曲になった。「blue hour」でも堀越ギターが活躍。どんどん自由になっていくのが面白い。
今回のツアーで一番練習したのが「ドライブ」。4人で演奏するのは不可能な曲だという思い込みがあったけど、多分昨年末のステージでこの曲に対してみんなのなかでの気持ちが少し変わったのだと思う。10分にも及ぶ「ドライブ」の演奏、個人的なハイライトでした。「手と手、影と影」も最近すごくよく響くなあと思う。

本編を締めくくるのは「サテライト」、もうこの時点で2時間を軽く超えていた。アンコールでは「ストロボ」という曲についての検証。詳しくは名古屋のあの会場にいた人たちだけが知る秘密にしたい。みんな大爆笑だったことだけ記す。「雨の夜と月の光」で大団円。2時間半の素晴らしい夜でした。ご来場いただいた皆さん、KDハポンのスタッフ皆さん、ありがとうございました。メンバーのみんなにも感謝。物販してサインして片付けたらもう23時とかになって、最後ぎりぎりで駆け込んだお店でなんとか名古屋名物手羽先にありつけました。
年内にもう一回くらい名古屋でバンドでやりたいな。また会いましょう。