1ヶ月以上ぶりのライブ。わくわくドキドキしながら下北沢へ。ゴールデンウィークの陽気に浮かれる街、ずっと家で歌の練習をしていたからそういうふわふわした雰囲気も楽しい。レテでのライブにはモニターとミキサーと照明と楽器、収録用のカメラを持ち込むから準備をするだけでひと仕事。一日二公演のときは昼の部はフレッシュではらはらするけれど瞬発力があって、夜の部は少しくたびれてはいるけれど落ち着いててゆとりがある。
まず昼の部。新しい季節に「新しい季節」からスタート。こんな5月の晴れた休日には、というフレーズをふくむ未発表曲「最後の晩餐」、「何もない人」もこの陽気にピッタリだなと思った。もっと夏になったら歌おうと思っていた「down the river to the sea」だけどこの日気温が30度まで上がったから今回に繰り上げ。そしてリクエストに応えて「sweet home comfort」でただいまおかえり。

今回のライブはカバー多め。今年の元日に映画「PERFECT DAYS」を観た話から“サテライト”コーナーとしてルー・リード「Satellite of Love」、「milk moon canyon」「サテライト」。久しぶりに歌った「milk moon canyon」が自分の心に響いた。フィッシュマンズカバー「Weather Report」、“春なのに25度を超えて”どころかもっと暑くなった。続けて泳げない魚が登場する「月あかりのナイトスイミング」こうやって言葉が繋がってく。今回のチャレンジは「夜の科学」。みんな眠くならなかったか心配。僕は気持ちよかったです。
リクエストに応えて村田和人さんの「Brand New Day/Brand New Song」。歌詞を担当したのでまるで自分の持ち歌のように歌えた。歌い継いでいきたい。カバーをもうひとつ、小沢健二「さよならなんて云えないよ」、30年の時間が降り積もる。「ニャンとなるSONG」もリクエストに応えての選曲でしたが、歌い終わったあと泣いているお客さんの多さよ。もらい泣きしてしまいました。3月のGOMES THE HITMAN公演で披露した新曲を弾き語りで。タイトルに悩む。まだ決められない。
アンコールで「Yesterday」を。冒頭のメロディがとても歌うのがむずかしいのはきっとポールが夢の中で無意識の意識で書いたからだと思う。今年1月の終わりに僕が夢のなかで作った曲があって、この日のライブに2コーラス分の歌詞を間に合わせた。それを新曲として披露。手応えがあった。また進化した形で披露したい。「距離を越えてゆく言葉」、そして最後は「セラヴィとレリビー」。ここでもLET IT BE、ジョン派なのにポールの話ばっかりした。外はまだ明るく、全体的に爽やかな昼の部だった、と感じました。

夜の部、開演前に映画「PERFECT DAYS」の撮影場所となったフラッシュディスク・ランチでレコードを見て時間を過ごしました。「何もない人」から変わって「一角獣と新しいホライズン」に、そして「sweet home comfort」が「glennville」に。日が暮れてしっとりした雰囲気。“サテライト”コーナーも好感触だった。昼も夜も映画「PERFECT DAYS」を観ている人が多くて感心する。
「ニャンとなるSONG」の代わりに「small good things」、ポチを亡くしてポチ実を迎えた翌年にリリースした『the loved one』から。あれからもうすぐ10年になる。本編最後のタイトルの決まらない新曲。アンケートに皆さんいろいろ考案してくれて、でもまだ決めきれず。アンコールでの「Yesterday」からの最新曲。みんなじっくりと聴き入っていた感触。「僕らの暮らし」、そして最後は「セラヴィとレリビー」で締めくくり。歌を歌うことの喜びを再確認するような素晴らしい一日になりました。
ロックとかポップスとか、音楽を聴き始めた頃はオレたち子どものための音楽だって思っていたけれど、大人になっても音楽はいつもそばにあるなと感じます。空席ひとつない満員御礼、今回チケット取れなかった方も多かったそうで、また次回にぜひ。次の「夜の科学 in 下北沢」は7月4日にレテの25周年月間に。みんなが撮ってくれた写真をいくつかSNSから拾って使わせてもらいました。感謝。