

2月以来のGOMES THE HITMAN名阪ツアー。最近うちのバンドは思い思い好きな手段で現地集合するスタイルが心地いいみたいで、15時にKDハポンに集合ということだけ決まってて、みんながどうやって移動しているかを知らない。僕は車にギターとアンプと物販やらなにやらを詰め込んでドライブ旅。朝早く起きるクセがついているからかなり早めに吉祥寺を出発、都内の渋滞を避けてゆっくりゆとりの運転。前回はまだ寒い季節だったのが、今回は灼熱の暑さ。ナビがわりのiPhoneが高熱サインを出したりする。サービスエリアに立ち寄っても車から降りるほうが体力を奪われる気すらする。もう日本の夏の酷暑ではツアーは無理なのかもしれないな。健康的じゃない気がする。
名古屋にお昼過ぎに着いたので大須に行ってレコード屋を散策する余裕があった。File-Underにも立ち寄れて、店主山田さんもその夜ライブを観にきてくれた。KDハポンに着くと、堀越メンバー、けっちゃん、須藤さんの順に到着、みんな新幹線。誰も時間に遅れないのが年をとっても優等生バンドだなと可笑しくなる。KDハポンで音を鳴らすのはいつでも心地いい。今回ギリギリまでセットリストが二転三転したのでリハーサルは久々に演奏する曲の練習の時間。「これ4人でやれんの?」とか試行錯誤しながら。この日の物販を手伝ってくれたのは大学時代の友人(インディー盤の「遅れてきた青春」でヴァイオリンを弾いてくれている)。一気に学生時代の雰囲気で充満する天井の高い会場(下の写真はリハの様子)。

KDハポンは上も下もお客さんいっぱい。オープニングは「センチメンタル・ジャーニー」「長期休暇の夜」で徐々に盛り上がっていきます。「スティーブン・ダフィー的スクラップブック」は前回東京公演でギリギリでセットリストからこぼれた曲、「down the river to the sea」は松山から観にきてくれたNHK松田利仁亜アナのリクエスト。「週末の太陽」までの『weekend』エラ楽曲はこの日の天気によく似合うラインナップでした。“まちづくり三部作”から「言葉はうそつき」「午後の窓から」も久しぶりに。今回のツアーで一番音が大きくて気持ちが昂るパートが「太陽オーケストラ」から「20世紀の夏の終わり」という流れだったかもしれません。


続く「情熱スタンダード」「笑う人」「carolina」という2000年代前半楽曲の流れも新鮮。四半世紀を経てフレッシュって良いね。「余韻」から始まる新曲パートも演奏している自分たちの楽しさが客席まで伝わっている感じがする。「レモンティーと手紙」の爽快感はどこの会場でも気持ちいいものだった。今回のツアーで、どちらかと言えばソロ楽曲的だと感じていた「新しい朝のワルツ」が“ゴメスの曲”になった感覚があった。「拍手手拍子」のラララのコーラスもみんなが歌ってくれて嬉しい。
2005年活動休止前のアルバム『ripple』からの「星に輪ゴムを」と「手と手、影と影」、この日も今まで感じたことがないような“エモーション”を伴った歌が歌えた気がする。来年でリリースから20年になるときに改めて『ripple』をやり直してみたくなる。「houston」を4人でも盛り上げられるようになった。最新作『memori』からもしっかり演奏することが現在進行形であるバンドの姿だと思う。「baby driver」「ブックエンドのテーマ」はいつだってバンドのスタンダードになった。本編最後は最新の新曲「ポリフォニー」。

アンコールは「光と水の関係」「饒舌スタッカート」とたたみかけて、記念撮影タイムのその場で決める曲は「ストロボ」の名古屋でしか聴けないハイトーンver.で。くたくたのはずなのに、やめとけばいいのに。最後はお客さん総立ちになって「雨の夜と月の光」。全26曲2時間半。めちゃくちゃ楽しかったよね。物販やサインにたくさんの行列、本当にありがたい。みんなが楽しそうな顔を見ると疲れとかがなくなるから不思議です。アンケートもたくさん提出してくれてありがとう。いつも気持ちいい音で演奏させてくれるKDハポンのモモジさん、スタッフの皆さんにも感謝。
終演後機材や荷物を片付けて、気づくともうかなり遅い時間。今回のツアーは打ち上げのお店に難儀する2日間でした。なんとか見つけたお店で僕はノンアルコールビールで自己管理。そういうところはちゃんと大人になった気がする。というか自分の体の声を聞けるようになったのかもしれない。年内もう一回くらい名古屋に行けたらいいなと、この日の盛り上がりを見て思いました。サンキュー名古屋。またすぐ会いにいきたいと思います。
