我がフリ見て我がフリなおす
GTHがデビューしたころ高校生で東京外語大学園祭での僕らの演奏を偶然観てファンになってファンレターとかを渡してました!という人(現在は映像作家を目指すクリエイターのたまご)と、先日ひょんなことから知り合った、というか人づてに繋がる、ということがありました。
その人は僕からもらった手紙の返事(アンケートのような質問に答えたもの)を大切にまだ持っている、ということだったので、20世紀のころの若かりし僕はどんな小生意気なことを書いてたんだろうかと非常に心配&興味があって、その内容をメールで教えてもらったのです。
当時はまだ電子メールとかが一般的ではなくて、ファンレターをもらうとうれしくてそのなかに返信用の切手やハガキが入ってたらもれなく何か書いて送り返していました(これは今でもそうです)。
おそるおそる当時の20代中盤の僕が書いた言葉を8年ぶりくらいに読み返したわけです。それは以下のような感じのものでしたが、90年代特有のちょっとひねくれた、こまっしゃくれた雰囲気がします(自分のことですからね)。
【質問1】メンバーの最大の共通点はなんですか?
20世紀の山田:共通なし。あえて言うなら大学が一緒。
2006年の僕による考察;なんだかひねくれてる感じがします(自分だからかなあ)。「あえて言うなら」という言い回しがひねくれてるし文章が簡潔過ぎる。あえて言うまでもなくメンバーみんな大学一緒です。2006年の僕が答えるとしたら「大学が一緒っていうくらいで、趣味もバラバラだし共通項はないですね。」
【質問2】音楽をやる上で、いちばん気を使っている事は何ですか。
20世紀の山田:押し付けがましくしないこと。恥ずかしくしないこと
2006年の僕による考察;これもひねくれてわざとわかりにくく書いてますね。これを読んで去年のライブでよく言ってたシンガロングとかパーティシペイトのこととかが頭をよぎりましたが、押し付けがましいのは今でもよくないと思ってます。恥ずかしい音楽を鳴らさないことも大事なことですね。2006年の僕が答えるとしたら「言葉とメロディに全力を尽くす」と答えます。
【質問3】暇なとき何をしているのか。
20世紀の山田:僕は本を読んだり音楽を聴いたり。きっと君と同じ感じ。
2006年の僕による考察;「きっと君と同じ感じ」という言葉がこまっしゃくれててポエムな感じで、若気の至りを感じます。確かに本を読んだり音楽を聴いたりしてますけどね。「みんなと同じで本を読んだり音楽を聴いたりしています」って書けばいいのに。
【質問4】予言を信じるか。
20世紀の山田:魔法は信じる。
2006年の僕による考察;予言について聞かれてるのにそれに答えず魔法のことについて答えてる!ひねくれてる。予言は善し悪しありますが魔法は信じたいですね。
【質問5】好きな言葉、人生論は何ですか?
20世紀の山田:「人との出会いが旅」「keep on Rockin!」 「僕は音楽で人生を語る」
2006年の僕による考察;今とそんなに変わらないですね。見直した。
【質問6】好きなFOOD、DRINK。
20世紀の山田:マイルドセブンスーパーライト
2006年の僕による考察;最後の質問、わー最悪な答えですね。やさぐれたロック感とひねくれ感を出そうとしてるようだ。煙草をやめてもうすぐ2年になりますが、昔はレコーディング期間に禁煙宣言して、でも隠れてトイレで吸ったりしてました。今の僕ならこの質問には「プリン、フレンチクルーラーと中トロ」と答えます。
昔の思い出や自分の作品を懐かしく思い返したり今の技量でかつての音楽を再演してみたりするのはすごく楽しく、自分が残してきた軌跡やアーカイブスには誇りと達成感を感じます。古い雑誌に載った自分のインタビュー記事なども微笑ましい気持ちで眺められるし、それは意外と心地のいい時間だったりするんですよね。
しかし肉体的な若さみたいなものが巻き戻ればいいなとは思ったことがあったとしても(これからもあるだろうけど)、例えば「感性」のような漠然とした根幹は経験値とともに磨かれて研ぎすまされていくはずで、その感性が後戻りするのは絶対にダメだな、と僕はいま強く思っています。「立ち上がり来る風を背に受けてもう一度現在位置を確かめて」という歌はそういう気持ちを乗せた歌なんじゃないかと、この微笑ましい20世紀の僕の書いた言葉を読んでピリッと身の引き締まる思いがしました。
Posted by monolog at 02:17│
Comments(4)│
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おもしろいですね。
ただ、当時の答えだけではなくて、現在の山田さんの考察がついていて、
とても楽しく読ませていただきました。
たまには私も昔の日記を読み返してみようかな、と思いました。
昔の自分のコメントに今の自分のコメント(突っ込み?)が
付くっておもしろいですね!
先日、山田さんの過去の日記(ブログじゃないときの)を
読もうと思ったのだけど、2003.AUG〜からのが
Not Foundで読めませんでしたよ。
もし可能だったら、読めるようにぜひお願いします!
今年も日記楽しみにしていまーす♪ミ
10年分くらいたまったら一冊の本にしてください。
質問4と6、面白いですねえ。笑ってしまいました。
たしかに、ブリンはおいしいです(#^_^#)
「きっと君と同じ同じ」はどうなんでしょ。
ファンとしては、もの凄い感動モノのフレーズのような気がするんですが。
他の答えもストレートで飾らなくて、別にいいんではないかなあ。
「魔法は信じる」も「信じない」だけより「ろまんちっこ」な自己主張が感じられていい感じです(笑)
こういう昔のことを恥ずかしいなと言いつつも、公表できるようになったのって
きっと大人になった証拠なんでしょうねー。
私も一時期いちいちライブの感想を長々と手紙で渡していた時期がありました。
自分の記録用にと、たまにコピーして保存して置いたモノが出てくると
なんて恐ろしいことを書いていたのかと自分でもぞっとします。(まさに若気の…)
返信用のハガキを入れなくてよかった…と心から思いました^^;
(ちなみにファンレターって取っておくものですか?)
記憶って案外自分の都合のいいようにすり替わっている時があるので
文字に残しておくのはいいですね。
こっぱずかしい笑いのネタにもなるし。
昔つけていた「GOMES遠征日記」でも読み返してみようかな。