先日古本屋で1976年7月に出たニューミュージックマガジン(ミュージックマガジンの前身)を200円で買った。中村とうよう氏や湯川れい子氏、北中正和氏や中川五郎氏など名高い評論家たちがテキストを綴った「うたにとって歌詞とは?」という特集が載っていたからである。ちょうど30年前、僕は2歳でビートルズは全員生きている時代。本のなかで「この頃は日本の歌も歌詞が難しすぎたり聞き取れなかったり言葉の乱れが甚だしい」と書いてありましたが、一方で山下達郎氏やシューガーベイブ楽曲の歌詞を褒めてあったりする。これを読んで僕が思ったのは、いつの時代も言葉に重きをおいた音楽とビートやサウンドに重点をおいた音楽、その両方に挑戦する音楽があるということで、そもそも歌詞にはクオリティの上下がある訳ではなくその種類は右か左かの違いなのではないか。
この30年前の音楽雑誌は今読むと隅から隅まで面白いのです。広告を見てもタワーやHMVのパブはなく、ディスクユニオンもレコファンもない。パイドパイパーハウスという伝説的なレコード屋さんの広告には心が躍り、ビートルズ日本武道館公演10周年記念(今年は40周年なんです)のLPと日本独自企画盤がページをさいて紹介されていて「危険なドラッグを追放しよう」という緊急提言があったりする。読者からの手紙に掲載されてるのは半分以上が10代で、こんなに音楽が熱い1976年だったんだな、と憧れる。