さすがに立ちっぱなし歌いっぱなしで2時間半は堪えましたが、鰻を食べて持ち直しました。
「夜の科学7」で紹介したインディアンの言葉のいくつかは、開演前の控え室となっていた地下にあるマーブルトロンの事務所に置いてあった「月に映すあなたの一日―ネイティブ・アメリカンの364のことわざが示す今日を生きる指針」をぱらぱら眺めてメモを取ったものでした。マーブルブックスは他にも数冊北山耕平氏が翻訳したネイティブアメリカン関連の本を出していて、前回のイベント時にも素敵な本をいただきました。この本は装丁もきれいで、ダイアリーをめくるように感覚的に深遠な言葉に触れられて良い(わかる言葉とわからない言葉があるのが、またいい)。たとえば自分の誕生日にあわせて12の月の8の日の項を見るとドゥワミッシュ族の言い伝え「持ち帰っていいのは記憶だけ。残していいのは足跡だけ」と書かれています。
興奮冷めやらぬ昨日も用もなく吉祥寺をふらふらして、みうらじゅん氏の解説に惹かれて購入した岡本太郎著「芸術と青春」を読みながらコーヒーを飲んで時間を過ごしたのですが、そのなかで岡本太郎氏は「青春は無限に明るく、また無限に暗い」と書いていて、それが「今までもこれからも自分の芸術、生き甲斐を豊かに育んでくれるものである」と結んでいた。孤独な作業で歌を作ってそれを人前で歌ったり録音したりする自分の暮らしを「ずーっと青春時代みたいだな」とか「いっつも学園祭みたいだな」と感じている僕にとって「青春は無限に明るく無限に暗い」という言葉は、僕の暮らしに定期的に訪れる光と影の時間を全肯定してもらえたような気がしてハッとして、それをモレスキンの手帳に人目を気にしながらササっとメモを取ったのです。「真実の言葉とは深く心に沈んでそこにとどまるもの」というオグララ・ラコタの言葉の横に。