打ち合わせの予定が急になくなったのでキビキビ!っと確定申告書の提出へ。いつもギリギリになってバタバタする事務作業ですが今年は前倒し、しかし税務署はとても混雑していて季節感があった。
井の頭動物園あたりから三鷹駅に向かって自転車で走るのに気持ちのいい玉川上水沿いの道路があって「風の散歩道」という名前がついている。今日そこを走っていたら最近気になっていた山本有三記念館を見つけたので立ち止まってみた(山本有三についてのWiki)。とっても品のあるモダンな建物だった。空調工事中で春まで閉館とのことで中に入れないのが残念。
僕が小さい頃、父親から山本有三の「路傍の石」という本を読むように言われ、普段そういうことを言う父親ではなかったから子供心に「へえ、おとうさんがわざわざ言うくらいやけん何かあるっちゃろう」と思って真剣に読んだ記憶がある(本の内容はほとんど憶えていない)。そして、何度目の再読か、一昨日くらいに「東京タワー〜オカンとボクと、時々、オトン」を泣きながら読んでいたらマー君もオトンから山本有三の「真実一路」を読むように言われたというくだりがあってビックリして、僕のなかで「山本有三」という単語がふわふわとしているときだったので、この肌寒いけど雲ひとつない青空の月曜日に山本有三旧邸の門の外に展示されている「路傍の石」を眺めたことには何らかの意味があるぞ、と思った。
“たったひとりしかない自分を、たった一度しかない一生を、
ほんとうに生かさなかったら 人間生まれてきたかいが ないじゃないか”
という「路傍の石」の一節を見て、この本を読め、といった無口な父親のことをちょっと考えたから、たまには電話でもしてみようと思う。