わわ!やめろ!という僕の制止を振り切ってポチは甘噛みを解き、今度は手でちょいちょいと軽いジャブみたいな感じで蝉をからかい、その度にジジジジジと蝉は最後の力を振り絞る。ポチは香箱を組んで蝉と対峙し、たまになでたり添い寝したり何時間もベランダで過ごしたのだ。
僕は部屋の中に蝉を持ち込まないように猫に頼み、たまにジジジジと鳴く蝉の音を聞きながら生命の灯火がゆっくり消えていく夏の終わりをなすすべもなく眺めていました。前の晩にTVでアフリカの動物たちが生きるために必死で狩りをしている映像を見たのですがそれとはまったく違う猫の優雅な姿。猫がものすごく活き活きしていた。