西日本ツアーから東京に戻り物欲が高まって渋谷へ出かけて、ロゴスで荒木経惟の「センチメンタルな旅、春の旅」を見つけた。僕は「愛しのチロ」というアラーキーの愛猫の写真集が大好きだったので「お、新しい写真集。チロもまだまだ元気だな」とか思ったのだが、果たしてチロは今春3月に亡くなっていた。22歳の大往生。
この本はチロとの最後の日々を記録した写真集でした。中身をちらっと覗き、「ここで立ち読みしたら泣く」と思って買って帰りました。
ページを捲るたびにチロがどんどん小さく薄くなっていって目の光がなくなっていくのが悲しく、アラーキーは飼い主としてカメラマンとしてどんな気持ちでシャッターを切ったのだろうかとか、さらにはうちの猫にもやがて来る最期の瞬間とか、いろんな想像をしながら僕はさめざめと泣いてしまった。胸をかき回す写真集だった。
ラットホールギャラリーというところで展示をやっているので機会があれば観にいきたいと思っています。とても切ないシーンが多いですが猫が好きな人、興味のある方はぜひ。
そしてうちの猫の話。広島のライブに「CAT GARDEN」という僕とポチが出会うきっかけになった写真集を持ってきた人がいて、サインを書いたりいろいろお話を交わした。
今となっては知らない人もいるかもしれないがうちの猫は写真家の斎門富士男さんが葉山で飼っていたのを譲り受けた猫である。「CAT GARDEN」を見て「饒舌スタッカート」のジャケット撮影を斎門さんに依頼したのが縁のはじまりであった。
斎門さんのいくつかの写真集で語られるポチという猫はうちのとは別の猫で、斎門さんが最初に飼い始めたポチにとてもよく似た猫だということで2代目を襲名したのがうちの猫。だから「猫なのにポチなんて面白いですねえ」とよく言われるがポチは最初からポチなのだ。子ども時代のポチ、少し大きなポチ、きりっとしたポチが写真集のなかにいくつも記録されています。
うちの猫は「baby cat」というフォトブックの表紙を飾っていてそれは筆舌に尽くしがたい可愛らしさで、いつになっても自慢の種だ。アラーキー「センチメンタルな旅 春の旅」の中で印象的だったのは力なく横たわるチロのそばに元気盛りのころを切り取った写真集「愛しのチロ」を並べて写した写真だった。無防備に寝息をたてて眠るポチのそばにその「baby cat」を並べて眺めて「ああ、いつまでもこのまま」と願う。チロの写真集を見たことによりいつも以上にコーミングしたり入念に爪を切ったりして嫌がられたが、猫とは本当に魔性の生き物だと思う。
AMAZONを見てたらマーケットプレイスで斎門富士男/猫関連の写真集がとても安く買えるみたいなので(1円とかで売ってたやつは僕が全部買い戻したよ)興味のある方はぜひうちの猫の勇姿を探してみてください。他にも「ぽちのゆめ」という本もあり、ここには完全室内飼いになった今からは想像もできない雪にまみれるポチの姿が記録されている。