2011年05月16日

[BOOK] 読書(春編)

_SL500_AA300_3月の地震の後はとにかくテレビやインターネットばかり見つめていたのだが、4月を過ぎてからずいぶん本を読みました。読書はいいですね。自分のペースでゆっくり飲み込める。

柴田元幸責任編集の「monkey business」2011春号はポール・オースター号で読み応えがあった。加えて村上春樹と小澤征爾との対談も。その村上春樹が「ランゲルハンス島の午後」で唱えた「小さくはあるが確固とした幸せ」を引用した内田樹著「疲れすぎて眠れぬ夜のために」は“不充足感をバネにして生きる”頑張り方を改めようという、今の気分に同調する本だった。

樋口毅宏著「雑司ヶ谷R.I.P.」も真偽飲み込んだ荒唐無稽な筋書きを楽しみました。デビュー作「さらば雑司ヶ谷」に続き今作にも小沢健二論者が登場するが、そのキーワードに引っかかる人も多いでしょう。ずっと続いて欲しいハードボイルドストーリー。

表紙のおじさんの満面の笑顔がずっと気になってはいたが自分とは関係のない次元の話だと思っていた「奇跡のリンゴ―『絶対不可能』を覆した農家 木村秋則の記録」。ここに書かれるのはカッコよく言えば飽くなき開拓者精神だが、最後までカッコいいシーンがひとつもない(終わることのない)男の執念の物語だ。この本に興味をもつきっかけをくれたあんざい果樹園ファミリーに感謝したい。心に浮かんだ“new frontier”という次のテーマのことをずっと考えています。

最後、皆さんにお薦めしたいのが川崎フーフ著「がんフーフー日記」。初回版『cobblestone』付属の小説コブルストーンを書いてくれた文藝レアグルーヴ清水浩司さんが上梓した本です。一緒にサンフランシスコに行ってクラムチャウダー食べたりイベントでトークしてもらったりとお世話になった清水さんのここ数年のことを僕は全然知らなかった。Twitterで知ってすぐ注文して翌日に到着したその本をあっという間に読み終えて清水さんの携帯に電話した。闘病ドキュメント本というカテゴリーに入るであろう本ですが、僕はたくさん笑って泣いて温かい気持ちになりました。(特設サイト

今年に入って5ヶ月が過ぎようとしていますが音楽も僕好みな新作が多くて嬉しい。R.E.M.、Iron & Wine、Fleet Foxes、Beastie Boys、The Feeliesなど、レコードは夜な夜なぐるぐる回っている。

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Posted by monolog at 23:31│Comments(0)TrackBack(0)

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