2012年11月07日

ホピの予言/シェーナウの想い



昨日のこと。そぼ降る雨のなか午後までずっと自宅作業、夕方から高橋久美子さんに誘ってもらった渋谷アップリンクでの東京PAOS!というイベントを観にいった。ずっと観たいと思っていた「ホピの予言」という映画。ようやく観ることができた。ネイティヴ・アメリカンに興味がある僕にとっても“インディアン”とはナバホとかコマンチといったティピを作って狩猟生活を行った部族なのだけど、数年前に観にいった「ホピ族の精霊たちーカチーナ人形展」でその特異な立ち位置が印象深かったのだ。

1970年代末から制作されて'80年代に公開された映画なので音楽やナレーションなど隔世の感はあるがそのなかで描かれているのはよくあるスピリチュアルな物語ではなく現代に対する警笛だった。観ることができたよかった。上演後に遠藤ミチロウさんとランドアンドライフの辰巳玲子さん、イベント発起人のPIKAさんとのトークも興味深く、ミチロウさんがホピの村を訪れた話は特に面白くて、帰宅後「プロジェクトFUKUSHIMA!」という本に載っていたインタビューを再読した。

その後、続けて「シェーナウの想い」。「愛のかたまり」展のときに巣巣で上映会があったのをタイミングを逃していた映画。ドイツ南西部の小さな街が成し遂げた脱原発の話。「市民の市民による市民のための」電力供給会社を誕生させるまでの軌跡を綴るドキュメンタリー。これも2008年に作られた作品だけどもテン年代に観られるべき内容でした。ドイツ語の硬質な響きと風景の美しさに眼がいく。

その後、高橋久美子 × PIKA × トンチで行われた朗読のパフォーマンス。ほぼリハなしのぶっつけの本番だったそうだがとても音楽的で見入って/聴き入ってしまった。旋律のない言葉でもかくも豊穣なメロディーを感じさせるものなのだな。5時間におよぶ長時間の、しかし絶え間なくハッ!する瞬間の連続、雨が土に沁みこむような、この日は自分にとって“吸収する”一日でした。映画のなかでアメリカの陰部を魅せつけられた夜に朝まで大統領選挙の特番を見ながら毛布に沈む。

Posted by monolog at 11:56│Comments(0)TrackBack(0)

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