今年初めてのライブが1月2日のスターパインズカフェ、そこからずいぶん時間が経つように感じるのは連日レコーディング作業が続いているからか。今年2度目のステージは表参道GROUND、かつてFABという名前だった天井の高いライブハウス。出演者が6組いるイベント、12時入り。天気もよく気持ちいい朝。
僕は安宅くんとヒックスヴィル中森泰弘さんとトリオで。リハーサル中、Chocolat & Akitoが会場入りするやいなや中森さんが片寄さんに「最近髪の毛濃くなってない?増毛?」と笑顔で語りかけ、片寄さんがそれに「いやーそれがさー」とニコニコ答えるという、'90年代から今日まで影響力のある先輩たちの微笑ましいシーンを目撃して僕は静かに、妙に感動してしまいました(片寄さんもMCで触れていました)。
長い一日。昼過ぎにリハーサルが終わり僕はセッションのリハ、安宅くんや中森さんは新宿に行ったり渋谷に行ったり。僕もさっと出かけて久しぶりにキャット・ストリートを散歩。夕方にイベントがスタートしました。ステージが始まる前に事前に収録したVTRが流れたりセッティング中にDJが素敵なレコードをスピンしたりオリジナルグッズがたくさん並べられたり主催者の気持ちのこもったホスピタリティあふれるイベント。HARCOのステージを楽屋で眺め、いよいよ本番。
ソロでの活動を本格化させて5年、キャリアにおいて初めてレコードを出してから15年、GOMES THE HITMANという名前でバンドを初めてから20年という様々な“Anniversaries”を意識しながら僕は今なお制作中の最新作からのセットリストで。安宅くんはペダルスティールとマンドリン、中森さんはエレキとアコギ、僕はアコギとギタレレを手にして3人とも歌う、というとても新鮮な編成。
まだレコードになっていない新曲たちのなかで1曲、「プロポーズ大作戦」という20年前に書いた歌を歌う。それまで英語詞で曲を作っていた僕が小沢健二『犬は吠えるがキャラバンは進む』を聴き、さらにはフィッシュマンズ、ヒックスヴィルやGREAT3など日本語で歌われる感情たちに感化されて初めて日本語で書いた歌。照れ隠しのラブソング、おじいさんになってからも歌えるフォークソングだな、などと思いながら。
安宅、中森両氏とのトリオで演奏するのはとても楽しく、また次の機会を作りたい。「日向の猫とチャーリー・ブラウン」で満員のお客さんにラララと歌ってもらい、最後はソロを始めるきっかけとも言える「hanalee」であっという間のステージを堪能。
楽屋ではショコラさんとZINEの話など盛り上がり(C&AのZINE、素晴らしかった)、たくさんのミュージシャン仲間と交流する普段得がたい機会も。出演陣の演奏もすべて素晴らしくいくつものハイライトやピークが連なる、6時間にも及ぶ長くて楽しい一日になりました。ずっと熱い眼差しと拍手をくれたお客さんに感謝。そしてイベントスタッフの皆さんにも。最後の最後にセッションで「ラジオスターの悲劇」をみんなで。ステージ上も客席もみんなキラキラした笑顔が印象的でした。