
昨日のこと、一日中コンピューターに向かってエレキギターを弾いていた…。初めてエレキギターを買いにいった中学を卒業した後の春休みのことを思い出す。友だちのやっちゃんと福岡天神まで出かけて、その当時僕はガンズ&ローゼズに夢中だったから買うのはレスポール・モデルと決めていて、虎目のキレイなサンバーストの8万円くらいのやつと小さなアンプを買ったのだ。やっちゃんとふたりで興奮して。
そして今度は高校生になったら髪が伸ばせる(僕らは中学時代丸坊主だった)のが嬉しくてヘアムースを買いたいというやっちゃんにつきあって、また興奮してムースの匂いを嗅いだりして。帰りの電車に乗ったつもりがぜんぜん違う方向に進んでいることにも気づかず僕はギターのソフトケースのジッパーを少し開けてネックを触ったり、やっちゃんはまだ伸びかけた芝生のような頭にムースをつけたりして、気づいたら炭鉱町みたいな場所に辿り着いていた、という微笑ましく懐かしい早春の一日を。
しかし朝井リョウ著「何者」をさっき読み終えて、ああ、大学時代にはもう戻りたくないな…と思った。身につまされるような読了感。僕は教職免許を取るために実習に行ったりしていたため就職活動にはかなり出遅れた4年生だった(その当時3年のときは何もしていない)。受けられるレコード会社の募集にすべて落ち、就職浪人しようとしていたときに映像制作会社の面接を受けて数日後に現場へ駆りだされ数日後に内定が決まったのだけど、社会に出ることがどういうことかなど全然わかっていなかった、と思う。
そして4月には正社員として映像制作会社に勤務することになるのだが、最初の仕事はNHK衛星放送の音楽番組のためにアジアから集まったティーン・アイドル(男女混合)のアテンドと通訳だった。ホントは英語なんてしゃべれないくせに面接で自分を大きく見せる嘘をついた罰だ。それでもなんとか彼ら彼女らと原宿に遊びにいったり19時過ぎの誰もいないクラブに連れていったり面白かった。昨日気分転換のためにトイレにポスターを貼ったのだけど、そこにある単語を見てハッとした。その通訳アテンド仕事で一番最初に覚えた英単語は“CHOREOGRAPHER”という言葉だったなあ!とみるみる記憶が蘇ってきたのである。17年前の桜が満開の4月のこと。