2013年05月20日

“REPEAT” と “HOLIDAY”



昨日のこと、午後から出かけて神宮前のHBギャラリーで福田利之さんの個展「repeat」を観にいった。昨年から巣巣での「イラストレーターのためのCDジャケット講座」、『Christmas Songs』、さらには3年ぶりのソロアルバム『新しい青の時代』と福田さんとはたくさんの打ち合わせとコーヒーとバカ話を重ねてきたのだけど、新しい描きおろしを含む作品群をまとめて観るとあらためて「福田利之の頭のなかよ…」と感嘆する。四角いキャンバスに閉じ込められた物語は観る者(私たち)の思考でまた新たな意味を派生させるのだな。福田さんが最新作をB1の大きなポスターにしたことも興味深い(その絵にはドイツ語で「彼女は飽きっぽくて気まぐれ」と言葉が添えてある)。作り手にとっては最新作が最高傑作なのだ。22日まで開催されています。ぜひ福田さんの世界に足を踏み入れてみてください。

夕方から渋谷へ移動してサラヴァ東京でヒックスヴィル、Small Circle Of Friends、高橋徹也さんのライブ、“HOLIDAY”へ。思えばいつも楽しみに通っていたこの“HOLIDAY”というイベント、もう10年以上前のころの話なのだ(今回の開催が10年ぶりとのこと)。渋谷クアトロでのイベント、1階のエントランスで出待ちしてSCOFの東さんに楽曲内でのリーディングでのオファーをしたのは2001年だったか(その後それは『mono』のなかの「言葉の海に声を沈めて」になる)。10年前くらいの季節のこと、その頃の風景などをいろいろ思い出した。

アルバムでもギターを弾いていただいた中森さんをはじめヒックスヴィルの御三方とは去年から繋がり直しというか、いろんなところで頻繁にお会いするようになったのだけど、この日もヒックスヴィルにしかできない伝統芸のようなステージ、木暮さんがギターを真城さんに渡してドラムを叩きまくるトリッキーなシーンで涙が出た(楽しくて可笑しくて)。Small Circle Of Friendsのライブを観るのはそれこそ10年ぶりくらい。期せずして大好きな「LOOP SONG」が始まって時間がキュルキュルと巻き戻った。SCOFの新しい言葉を垣間見ることができて嬉しかった。来月対バンする高橋徹也さんとも久々の再会。前回お姿を拝見したのはアコースティックの弾き語りだったと思うのだけどこの日は菅沼雄太さんのドラム(『幻とのつきあい方』のあの音だ!)、荒馬のようなビンテージシンセを乗りこなす上田禎さん、そしてイベントの大黒柱とも言える鹿島達也さんを従えて迫力のあるステージでした(タイトロープを渡り歩くようなスリリングな曲調にも磨きがかかっていた…)。とても久しぶりに会う人が元気でかっこいいと自分も改めて頑張らなくてはな、と思う。会場では辻香織ちゃん、ARCHの中村さんなどとも久々に再会。

なんとなくこの日は久しぶりに終演後に会場出口で帰られる方たちへのフライヤー渡しを。「ああ、この感じだ。こういう気分を忘れてはいけないなあ」と思った。帰り道は雨足が強まってぐっしょりと濡れてしまったけどとても良い一日だった。チラシを受け取ってくださった方ありがとうございました。福田さんの個展会場にもチラシを託してきたのだけどすぐになくなってしまいそうとのことで、また明日HBギャラリーに出向こうと思います。われわれは“休日(HOLIDAY)”とウィークデイを“REPEAT(繰り返して)”暮らしていくのだ。新しい一週間を穏やかに過ごしましょう。

Posted by monolog at 10:26│Comments(0)TrackBack(0)

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