先の週末、日曜日の話。ついに迎えた“夜の科学 vol.41〜新しい青の時代”、ニューアルバム先行発売ライブとなる公演。プレス工場から到着したCDと新しいデザインのTシャツ、フライヤー、東京初登場となる“猫のブルー”と初めての始まりづくしのライブに天気も快く応えてくれて快晴のなか恵比寿へ。昨年末以来半年ぶりの“夜の科学”である。イトケンさん、安宅くん、五十嵐くんにエビちゃんと時間通りに集まりリハーサル。5月のツアーから繋がった時間。愛知と関西のツアーではバンドで演奏しなかった「あさってくらいの未来」と「月あかりのナイトスイミング」の練習に時間を費やす。
このライブは予約受付から早々に満席御礼となって、いつも以上にぎゅうぎゅうのお客さん。開場した場内から聞こえてくる声もざわざわと期待感を漂わせ、楽屋のわれわれも緊張感よりもどうやって楽しもうかということを考えている。5月のツアーで撮った映像とつい先日箱根で見たブルーポピーの映像を組み合わせて作ったオープニングムービー、流れる音楽は「この素晴らしい生活はスクラップと欠けた瀬戸物とほつれた縄からこの手で築いた/からっぽの宇宙であなたに会うでしょう/私のシースルーの青」と歌われるベス・オートンの「See Through Blue」(開演前は“blue”がタイトルに入る歌を集めてプレイリストを組みました)。
始まってしまうとやっぱりとても楽しくて、1曲演奏が終わるごとに「ああ、この曲ずっと演奏してたかったのに」とさびしくなるような感覚。“猫のブルー”も踊りだす。この日は『新しい青の時代』からの全11曲に『pilgrim』『home sweet home』の楽曲を織り交ぜて進む2時間、いわばここ数年の集大成。五十嵐くんが4月の終わりにプレゼントしてくれたアルバム完成祝いのダルマを抱いた招き猫に目をいれる儀式も。
アンケートなどでは「一角獣と新しいホライズン」の変身が印象的だったという感想が多い。「予感」では安宅くんがレコードと同じくクラリネットを。「平凡な毎日の暮らし」はいつもみんなが熱くなる。東京で歌う「光の葡萄」はいつも特別な感じがする。さらに言えばこの日の「hanalee」はいつもと響き方が違ったような感じがした。新曲群に刺激されて歌が成長したのかもしれない。
アンコールの最初に前日の夜にできたばかりの、名前もない歌を弾き語りで。レコードを完成させて自分の手を離れたら次にやることは僕しか知らない新しい歌を作ることである。60歳の自分が歌っていることを想像しながら作った歌、歌詞の中に「フェルメールの絵」が登場する。八面六臂の活躍の安宅くんは「月あかりのナイトスイミング」ではピアノを。佐々木真里さんにアレンジしていただいた風合いでのこの演奏が僕にとってはハイライトだった。
最後に歌った「ハミングバード」は2009年から歌っている歌。
2011年の地震の翌日に揺れ動く心を抱きながら「僕の音楽を好きでCDを聴いてくれたりライブを観にきてくれる心強いあなたたちがいなかったら完成しなかったであろうお祈りの歌をお届けしてみんなを応援したい」という言葉とともにデモを公開してからも随分時間が経った。ようやくこの歌も皆さんが好きなときに好きなように聴くことができる皆さんの歌になりました。
終演後は長い時間をかけてサインを。「ずっと待ってました」という言葉に「お待たせしました!」と大きな声で。全国各地から駆けつけてくれた皆さんに感謝。皆さんの暮らしに寄り添って、皆さんの人生にとってもずっと記憶に残るようなCDになればいいなと思います。『新しい青の時代』が悲しみのブルースも、晴れた空の青も、降り止まない雨の青も、海の青も宇宙の青もすべて飲み込んで、毎日違う音色で鳴るようなレコードになりますように。
ライブが終わってずっと流れていた歌はボブ・ディランの「It's All Over Now, Baby Blue」と「ブルーにこんがらがって」でした。終演後にメンバー・スタッフみんなで打ち上げ。小さな文字がびっしりとつまったアンケートを眺めながら次のライブはああしよう、こうしよう、といろいろ計画。6月27日には吉祥寺スターパインズカフェでまた5人バンド編成でのライブがあります。今回ご来場できなかった皆さんもぜひお越しください。さらには8月25日に正式な東京でのレコ初ライブをバンド編成で行うことにしました。夏休みの楽しみ、お祭りのようなライブにしたいと思います。手帳にメモを。また合流しましょう。ありがとうございました。
Posted by monolog at 21:05│
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