
アルバム発売日を目前に控えて東京を出発する東北旅。宮城県気仙沼市へ去年の春以来2度目の訪問。東京から気仙沼は500キロ以上距離があり、ちょうど大阪に行くのと同じくらい。しかし走り慣れた東名高速道路ではなく東北道で行く気仙沼は体感的にとても遠い。東北は大きいな、と思う。朝9時過ぎに出発して岩手県一関市を経由してドラゴンレールと並走したり離れたりしながら彼の地に到着したのは16時半、7時間近いドライブ。震災以降親交を深め今回のライブ会場を探しを買ってでてくれた“気仙沼”くんとアンカーセイルコーヒーで合流して一息。

会場の「みなみまち cadocco」はその名の通り街の角っこにあった。ガラス張りの外観、中には鏡張りの壁があるのでみんなでダンスをしたりするには打ってつけ。学校帰りの子どもたちの良い遊び場所にもなるのだろうな。スクリーンとプロジェクターも完備、上映会に使われることも多いようです。映像もきれいに投影できてとてもいい環境。外は止まない雨だがどれくらいのお客さんが来てくれるのだろうか...と期待と不安を抱えながらコーヒーを淹れる準備。この日のドリンクは僕がアンカーコーヒーをハンドドリップで提供する。19時を回ると激しくなる雨の中をお客さんがやってきた。まさか気仙沼でライブをやれるとは2年前には思わなかったこと。コーヒーを配りながらスクリーンでは1年前に旅したみちのく旅の映像を上映。



歌いながら何度も不思議な気持ちになりながら、ガラス窓の外を走っていくタクシーや傘をさして歩く市井の人々、思い思いの顔で聴き入るお客さんの顔を眺めていました。この旅でずっと感じていたことだけど「予感」を東北で歌うのはなんだか特別な感じがする。なにかと“龍”と縁のある気仙沼で歌う「hanalee」そして雨が降り止まないので雨の歌を、と「雨の夜と月の光」を。いつもと同じようにライブを始めたつもりだったのだけど、お客さん一人一人に話しかけるようにMCでしゃべっている自分に気づく。感じていることを教えて下さい、と伝えたのだけどたくさんの声を受け止めました。
終演後はサインの列。12年前に仙台で一緒に撮った写真を持ってきてくれた人、GOMES THE HITMANのほとんどすべてのCDを包装ビニールまで全部保管して大事に聴いてくれた彼にはできる限りのサインを。流されてしまった家の最上階に置いてあったから助かったCDだそう。震災後に他の街から気仙沼や南三陸に越してきて働いている人たちもたくさんいて、以前は他の街で僕のライブを観たのだけどまさか気仙沼でライブを観られるとは思わなかった、と。僕だって気仙沼でライブできて、そこにお客さんが来てくれるなんて想像もつかなかった。ご来場ありがとうございました。
この日の会場セッティングから打ち上げ、そして宿泊先までありとあらゆるサポートをしてくれた“気仙沼”くんをリーダーとするチーム気仙沼のみんなに心から感謝したい。毎年1度は気仙沼に来るつもりでいます。結局降り止まなかった雨のなかでも晴れ晴れとした気持ちで長い一日を楽しむことができました。
