2013年07月09日

“brand new blue” tour 2013(DAY6;7月6日 気仙沼〜陸前高田〜仙台 SENDAI KOFFEE)

朝早く起床。“気仙沼”くんが手配してくれた宿は「ホテル望洋」という老舗、朝から温泉で疲れをとる。このホテルは高台にあり被災を免れ、ここから撮影された津波の様子がYoutubeにたくさん投稿された。9時前に“気仙沼”くんが迎えにきてくれて、前回の訪問から1年経って街がどう変わったかを案内してくれることに。ホテル望洋から気仙沼港を眺める。2年前に街を飲み込んだとは思えない、とても穏やかな波の海。

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いろんな意味において気仙沼の象徴的な場所、漁船第18共徳丸がある鹿折地区へ。相変わらず圧倒的な風景。災害を忘れない記念碑として残したい思いと忌まわしい記憶を拭うために撤去したい思いとが交錯するランドマーク。この日も僕を含めてたくさんの観光客。見た景色を誰かに伝えたいのだけど、いまだに言葉にできないまま。

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そこから街を見下ろす安波山へ車で登頂。1年前に初めてここから双眼鏡で覗いた景色を思い出す。“気仙沼”くんは市役所の復興課に勤めていて、街の復興予定地図を示して「あの辺りは商業地区で、その向こうが住宅地、このへんは記念公園にしたいと思っています」と教えてくれた。そして色で塗り分けられた地図を見ながら「なんか、ニューアトラスみたいだなーと思うんですよ」と笑った。そういえば彼のメールアドレスには“new atlas”という文字があったことに気づいて僕も「ホントだねえ」と笑った。

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土曜出勤の仕事だという“気仙沼”くんと別れて、去年と同じようにお隣の岩手県陸前高田市まで出かけた。ニュースで奇跡の一本松の記念式典が行われたばかりだということを聞いていたので見にいかなければと思ったのだ。去年と一番違うのは平らにならされた土地に草木が生えて緑が目立ったこと。そして一本松効果なのか人の賑わい。駐車場に車を停めて奇跡の一本松があるところまで500メートルほど歩く。手を尽くして保存処理されすっとそびえる一本松は希望の象徴のように見えたが、そこから左側に視線を移したところに広がる7万本の松が根こそぎなくなった荒地にこそ津波の爪痕があった。

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お昼になって強くなった日差しにやられたせいか、まだまだ復興からは程遠く思える街並に何かを思ったからか、僕は幾分ぐったりしてしまい水分を補給。東北にも当然暑い夏がやってくる。ここから再び気仙沼に戻り国立海中公園岩井崎へ向かう去年と同じ旅路を。岩井崎に向かう道、高校の跡地が瓦礫処理場になって重機が唸りを上げていました。再会した昇り龍は1年前と変わらずそこにいた。

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魔法の竜に別れを告げて一路仙台へ。この移動が思ったよりもしんどい。東京は前日に梅雨明けしたらしいが東北も全然涼しくないし、日差しは鈍く降りそそぎ時折小雨がフロントガラスを濡らす。目的地に近づくに連れて青空の面積が広がり、仙台に到着するころには晴れ。2ヶ月連続で来たこの街のことを僕はまた好きになっている。ホテルのそばにレコード屋があることに気づき疲れも忘れ30分のレコ掘り。そしてセンダイコーヒーへ入りライブの準備を。

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仙台では前月にラジオキャンペーンをやった成果が見事に花開いて、ラジオで偶然僕のことを知ってライブに来てくれた方がとても多かった。世代も多岐に渡り、僕はとても新鮮な気持ちでおしゃべりをし、物語を読み聞かせするように歌を歌った。朝に“気仙沼”くんと話した地図の話をきっかけに「僕達のニューアトラス」を歌い、続けて「平凡な毎日の暮らし」を演奏した。「新しい地図に塗り替えて駆け回れ」「さあ、新しい地図とコンパスを」というフレーズが14年の月日を経てクロスフェードしていく。

遠くから近くからたくさんのお客さん、Date fmの特番で話し相手になってくれた石垣のり子さんも駆けつけてくれた。なんだか急に街が優しくしてくれているような感じがしたが、これは10数年の緩やかな繋がりの結果なのだなと思う。偶然ラジオで僕が猫のポチの話をしているのを聴いた50代くらいの女性が「うちの猫もポチっていうの!」と驚愕の偶然を打ち明けてくれたり、僕が番組内でギタレレで弾き語りした「予感」にひと聴き惚れしたという人もCDを購入してくれた。今まで一番の仙台でのライブになったと思う。

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この日もライブを観にきてくれたチーム気仙沼のみんなは美味しい打ち上げのお店を探してくれた。久しぶりの仙台の夜に美味しいお酒とご飯と楽しいおしゃべりを楽しみました。なんと内容の濃い、長い長い一日よ。ご来場いただいたすべての皆さんに感謝。

Posted by monolog at 15:16│Comments(0)TrackBack(0)

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