2013年08月27日

夏をあきらめないで〜夜の科学42後記

先日8月25日の、恵比寿での“夜の科学 vol.42〜ソーダ水の泡の魔法”のことを振り返ります。この日はイトケンさん、安宅くん、五十嵐くんとエビちゃんのいつもの5人の“夜の科学オーケストラ”に加え、今夏いくつかのステージを共にしたキーボーディスト佐々木真里さんとフルート奏者上野洋くんをゲストに迎えた特別編成。開演前に数日前の練習には参加できなかった上野くん含めてのリハーサルをたっぷりと。上野くんと「hanalee」をやるのは2008年6月kickingbirdsのとき以来5年ぶり。フルートでの「hanalee」に泣きそうになった(鼻がツーンとなった)。本番じゃなくてよかった。

ステージ上のドレスコードはこの日も“青”。僕とイトケンさんと五十嵐くんが少しずつ色とピッチの違う青のボーダーTシャツという偶然(か、必然?)、「違うのにしようか」「いや面白いからトリオでピカソルックにしましょう」と。真里さんはオトナの青、エビちゃんはコドモな青、上野くんは男の青、そして安宅くんは洗濯で青のタイパンツと一緒に洗濯してしまって薄く微細な青の色合いに染まった白Tシャツといういでたち。人それぞれの青、満員の会場も青で溢れていました。

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アルバム通り「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」から始まったステージは「瞳に涙がなければ魂に虹はかからない」というインディアンの言葉を紹介してから「光と水の新しい関係」へ。だるまにお祝いの目入れをして(何度目か?)新曲「太陽と満月」を真里さん含めた6人編成で演奏。これは今年春の作曲セミナーのために8小節だけ書いた歌を完成させたもの。バンドでの演奏がとても楽しい歌。もっと転がっていくだろう。

上野くんが入って「平凡な毎日の暮らし」はいつもよりも何割増しかの熱演に。僕の視界にフルートが揺れていた。再び真里さんも加わって7人での「予感」の演奏。安宅くんのクラリネット、上野くんのフルート、真里さんのグロッケン、五十嵐くんの爪弾き、イトケンさんのタムタムの柔らかい低音、全体を支えるエビちゃんの音、ずっとこのまま終わらなければいいのにというようなステージ上の音像。歌が喜んでいるようでした。

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「月あかりのナイトスイミング」という曲はこの日のステージのハイライトであると同時に、確実に2013年の楽曲のなかのハイライトだ。2011年に作った曲だけど今年アルバムのためにリアレンジして生まれ変わった。ピアノに導かれて始まった演奏にフルートが乗り、鍵盤ハーモニカは吹奏楽のように響き、スライドギターが月光のように差す。何の気なしにライブの副題を“ソーダ水の泡の魔法”と名づけた(その時点で真里さんが参加することは未定だった)理由はこのシーンのためだったのだな。

スクリーンに愛猫ポチを映しながら演奏した「日向の猫」、終演後イトケンさんが「ずっとうるっとしてた」と呟いたのだけど、僕もラララと歌う会場みんなの醸しだす空気が幸せ過ぎて泣いてしまいそうだった。そして7人での「hanalee」は今までにない膨らみを見せて、演奏を重ねていくことで歌は生き返り、生き続け、生まれ変わり続けるのだなということを再確認させてくれた。いちいち1曲1曲が終わるごとに寂しくなっていくこの感覚はなんなのだろうか。時間は前に進みそれは決して後戻りしない。エリック・ドルフィーという人が「空中に放たれた音楽は誰も二度とつかまえることはできない」と言ったけれども、本当にそうだと大きく頷くばかり。

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アンコールで「ハミングバード」を5人だけで演奏。3年くらいずっと歌っている歌ですがこれもどんどん大きな歌になってきました。「名前と日付と猫の絵を描いた」と歌うところのリズムの譜割りがいつも楽しい。最後の最後は新曲、「名前のない歌」という仮タイトルの曲を初めてバンドアレンジで。6月2日にこの場所で初演したとき以来各地を旅して歌詞もどんどん長くなってきて、自分ではもうじゅうぶんな言葉が揃った!と思っています。楽しい2時間、終わるのが寂しかったけれどもまたこのメンバーでやりたいと強く思いました。終演後は長いサインの列、皆さんも興奮して想いを伝えてくれた。アンケートも小さな文字でびっしりと。

次回の夜の科学は12月に。僕はそのタイミングで39歳から40歳になります。今週末は夏休みの最後の土曜日に鎌倉molnでライブ。五十嵐くんとは2週続けての手合わせとなりますが、リラックスした夏を振り返って見送るような涼やかな夜にしたいと思います。ぜひ遊びにきてください。まだまだもう少し夏休みの感想文作りのための猶予はあるのだ。僕は夏の思い出スクラップのとどめを刺そうと思います。




山田稔明『新しい青の時代』発売記念ライブ
“貸切り図書館5冊目〜関東百景2013”

2013年8月31日(土)@ 鎌倉 moln
開場 17:30/開演 18:00/料金 3000円(ドリンク代別)
出演 山田稔明 with 五十嵐祐輔(fishing with john)

「いつもライブにお邪魔している山田稔明さん
 念願叶いモルンでライブをしてくださいます♪

 山田さんの曲は 言葉とメロディの組み合わせが素晴らしく
 電車に揺られながら 散歩をしながら ひとりのじかんに寄り添い
 日常の営みを愛おしく感じることのできる お守りのような存在です」


*ライブにはバンド編成でギターとピアニカを担当する
fishing with john 五十嵐祐輔が参加します。

ご予約方法は、
「8/31 山田稔明ライブ」とタイトルに付け
・お名前・人数・ご連絡先(代表者の方のみ)
を明記の上、molnまでお申し込みください。
mail;belleandnatary@yahoo.co.jp

鎌倉moln
〒248-0012 鎌倉市御成町13-32 2F
tel&fax 0467-38-6336
tel 0467-38-6336(水〜日,11:00〜18:00)




Posted by monolog at 09:05│Comments(1)TrackBack(0)

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この記事へのコメント
molnでのライブ、楽しみです。
molnは行くといつも素敵なものがあって、選ぶのが楽しい雑貨屋さんです。

夢のなかの音楽、聴けたらうれしいです。
Posted by ますだ at 2013年08月28日 07:26