前日のバンド編成ライブのレポートが写真満載だったのとは対照的にこの日は完全に僕一人なので写真は少なめでレポートします。Martinのアコースティック・ギターに加えて、この日はGibsonのSG、FenderのCabronita Telecaster(「光と水の新しい関係」のギターソロを弾くために買ったギターだ)、ギタレレとウクレレをステージに並べました(ウクレレは結局使いませんでしたが)。朝に知り合いが誕生日のお祝いにキリムの素敵な絨毯を送ってきてくれたのだけど僕はそれをステージに敷いて演奏したくなった。僕の足元にはアフガニスタンの幾何学模様、まるで結界を貼ったような力強さ。
16時過ぎに会場入りして2時間個人練習と確認諸々、そして3日前に書き始めていた新しい曲の歌詞を考えながら作曲したり、違うフレーズを試したり…。開場時間になってから楽屋に閉じこもりなんとかフルサイズの歌詞を書き上げた。「きれいな言葉で」というタイトルを付けたその歌を僕の40代最初の発声、発語にしようと思いました。「きれいな言葉で、美しい日本語で、愛すべき日々の機微を書きとめて、繋ぎ止めて日々を過ごしていく」という決意表明の歌。


その「きれいな言葉で」という最新曲で始まったライブ、次に夏に作った新曲「太陽と満月」、そして僕が中学生の頃から好きなU2の「40」という曲(ジ・エッジがベースを弾き、アダムがギターをフィードバックさせる唯一のナンバー)。これは旧約聖書40章の言葉を引用しているからこのタイトルなのだけど40歳を意識したときに脳裏に浮かんだ歌がこれだった。「僕は新しい歌を歌うのだろう/果たしていつまでこの歌を歌い続けるのだろう」と繰り返される曲をステージでも歌ってみたかった。ボノの熱さで。そしてそこから2013年から1997年までを遡るセットリストにしました。
『新しい青の時代』『home sweet home』『pilgrim』、そして『ripple』とGOMES THE HITMANの楽曲に移っていく。どれも僕のペンが書き指がタイプし目で見たものを言葉に変換してそれをメロディーにのせた歌。それをギターと声だけで演奏していく。エレキギターをステージで久しぶりに弾いた。「ドライブ」はとてもよくできた歌だ。歌っていたら2000年代中盤にスッとタイムスリップするような感じ。発売から15年を迎えた『down the river to the sea』からは「クリスマス・イブ」から繋げた「寒い夜だよ」、ギタレレでの「会えないかな」「coffee」で一息つき、このあたりからだんだんリラックスしていったような気がする。
演奏を始めるたびに客席の誰かが「ああ!」という顔をしたり息を飲んだり小さなガッツポーズをしたりするのが見えました。なるべくリクエストに応えたつもりですが叶わなかった人がいたらごめんなさい。またこういう機会を必ず設けます。21世紀の歌、20世紀の歌の合間でクジ引きのブレイクを。この日は僕が地方で買ってきたお土産や“断捨離”賞など小粒のものが多かった気もしますが、前日の倍の楽曲を演奏しているというので勘弁していただきたいな。『cobblestone』の歌はとても新鮮に僕の舌に乗る。カブロニータ・テレキャスターで演奏した「自転車で追い越した季節」と、数年前に作ったバックトラックに合わせて歌った「思うことはいつも」が何周か巡って新しい響きを抱いているように感じました。あと「ストロボ」!この歌はほんとに演奏するのが苦手だったんだけどこの日はとても楽しく歌った。みんなの手拍子のおかげかもしれない。3時間半、30曲を越えたステージの最後は「僕はネオアコで人生を語る」。僕が1997年に初めて出したCDのオープニングナンバーを。素晴らしい夜、音楽家としての喜び。40代の船出に相応しい全力投球の12月8日でした。なにより3時間半真剣に僕の話と歌を聞いてくれた皆さんの集中力に大きな感謝を。


びっくりするほどたくさんのプレゼントとメッセージを受け取りました。これからも皆さんの期待以上の音楽をお届けすることを約束します。心から大きな声で、今は枯れてしまった声で「ありがとう」を皆さまへ!