2ndセットのステージ、後方のカーテンが開けられ六本木の街が雪で白く塗りつぶされる風景はスザンヌ・ヴェガの歌にとてもよく似合っていて感動したことを憶えている。雪で埋もれた道にひやひやしながら轍を刻み真っ白な世界を帰った帰路のことも。上京してきて最初の1992年に横浜のランドマークホールで観て以来20年ぶりの生の歌声だった。そんなことを考えながら雪が止んだ今は彼女の7年ぶりの新譜『Tales from the Realm of the Queen of Pentacles』を聴きながら雪見酒ならぬ雪見珈琲を。I am sitting in the morning at the diner on the corner...。スザンヌ・ヴェガといえば「Night Vision」である。高校生のときにその歌詞の静謐さに鳥肌が立つほど感動して以来ずっと聴いている。