2014年04月18日

“人をつなぐことと永井宏” @ 巣巣(2014年4月17日)



昨日のこと。午後から等々力巣巣へ出かけて永井 宏作品展「summer works 1998」開催を記念したトーク&ライブ“人をつなぐことと永井宏”、ずっとそわそわと、しかしとても楽しみにしていた夜。前日からのヒックスヴィル中森さんとイシカワアユミさんとの特訓(&ご飯会)もあり2日間の合宿のような感覚。到着してしばし永井さんの作品を眺めて、珍しく猫が描かれている作品があってお気に入りに。リハーサルを1時間、鎌倉からディモンシュ堀内さんと小山千夏さん、そして永井さんの奥様南里惠子さんも到着。永井さんの言葉を皆さんの前で歌うのはとても気恥ずかしい。

イベントは大盛況、立ち見がでるほどの満員。みんなが永井さんのことを愛している。堀内さん、千夏さん、南里さんの永井さんにまつわるトークからスタート。とても興味深いお話ばかり。僕は永井さんとついに一度もお会いすることがなかったのでお人柄についての想像が膨らむ。ディモンシュ堀内さんの新しい本「鎌倉のカフェで君を笑顔にするのが僕の仕事」にも永井さんのことがたくさん出てくる。大きな影響力と引力を持つ方だったのだな。笑いの絶えない1時間。そしてライブへ。


2014年4月17日(木)@ 等々力 巣巣
“人をつなぐことと永井宏:LIVE”


1.ヴェンチュラ・ハイウェイ(AMERICA カバー)
2.ハーヴェスト・ムーン(NEIL YOUNG カバー)
3.信じていれば月へ行けるさ、マン・オン・ザ・ムーン(R.E.M. カバー/詞 永井宏)
4.T-Bone Shuffle(T-BONE WALKER/ロッテンハッツ カバー/詞 中森泰弘)
5.レイン、レイン、フォーリング・ダウン(永井宏 カバー)
6.夜がそこまで(オクノ修 カバー)
7.くよくよするなよ(BOB DYLAN カバー/詞 永井宏)
8.アイスクリーム・マン(JONATHAN RICHMAN カバー/詞 永井宏)
9.朗読:みんなねている

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永井さんが愛した葉山に吹く風のイメージで「ヴェンチュラ・ハイウェイ」、ここ数日の美しい月を愛でて「ハーヴェスト・ムーン」。そして僕の大好きなR.E.M.に永井さんが日本語を付けた歌を歌うのはとても新鮮でした。永井さんの言葉とメロディはキッチン・シスターズという素晴らしいグループが歌い継いでいるのですが(2012年の秋に葉山で観てじんわり感動したのです)僕らは僕らなりの解釈と文法で誠意を持って演奏しました。「レイン、レイン、フォーリング・ダウン」は高揚感のある歌、ステファン・スティルス風に。オクノ修さんの「夜がそこまで」は永井さんが好んで歌っていた歌だそうで、この歌の言葉を介して永井さんが話しかけているような感じがしました。

ディランの歌もすっかり永井さんの歌になっていて、実は歌うのがとてもむずかしいのですが不思議と本番が一番しっくりうまくいきました。リハのときに中森さんから「ジョナサン・リッチマンのモダン・ラヴァーズみたいな音楽がやりたくてHAWAIIS(ロッテンハッツの前のバンド)を作ったんだよ」と伺って、降り積もる時間を思ったりしたのですが、「アイスクリーム・マン」を皆さんの手拍子と一緒に楽しく歌えて嬉しかったです。最後は「みんなねている」の朗読を会場全体で。「ばっちりです!」と全体をまとめてくれた、永井さん一番の愛弟子イシカワアユミさんにも心から感謝を。満員のお客さんがニコニコしていて感動しました。そしてこの空間を取り仕切った巣巣店主岩崎さん、ありがとうございました。

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最後の挨拶で岩崎さんが言った「ここに永井さんがいないことが不思議で、生きていてくれればよかったと思うんですが、永井さんがいないから今日の会があるんですよね」という言葉が印象的でした。“亡くなる”ということは重たい服を脱いで魂が情報化することだそうです。残された者たちはその情報をそれぞれのやり方で広め伝えていくことが仕事なのですね。終演後はささやかな打ち上げを。ここでも語られるのは永井さんにまつわる話で、とても穏やかで優しい時間でした。永井宏さんの展示「summer works 1998」は4月27日まで。ぜひ巣巣まで足を運んで作品に触れてみてください。

永井宏展「summer works 1998」@ 等々力 巣巣




Posted by monolog at 12:05│Comments(0)TrackBack(0)

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