振り返り日記。GOMES THE HITMAN7年ぶりライブの翌日、僕は疲れた体を引きずって同じスターパインズカフェの客席にいました。村田和人さんの還暦を祝うライブ、豪華なバンド編成です。そもそも村田さんが土日2日間開催を目論んで押さえた日程をスケジュールの都合でキャンセルした直後に僕がSPC伊藤さんに電話をしたことにより決まった復活ライブだったので、村田さんには感謝しなければなりません。前日地方でのライブでGTHのステージを観られなかった村田さんは9月の終わりの武蔵小山アゲインのライブに飛び入りしてくれる優しさを見せてくれました。もう村田さんとも15年のお付き合い。15年前僕は25歳で、村田さんは45歳だったな。
村田バンドを観るのは久しぶりでしたが、皆さんキャリアも長く手練のミュージシャンのはずなのに村田さんを中心として演奏する様は音楽好きな少年の顔をしている。フロント3人、湯川トーベンさん、村田さん、山本圭右さんはそろってオーバー60なのに、そんなの微塵も感じさせないかっこよさ。圭右さんの佇まいはすごい。あんなアメリカのブルースマンみたいになりたいけど僕は絶対なれない。村田さん自身は1年中夏男みたいな天真爛漫なキャラクターだが、村田バンドの面々はやんちゃでいたずらな、ワルイオトナたちの集団という風情があって、このバンドには入りたくない!と思わせる風格がある(実際挨拶しにいくと皆さんとても優しい!)。この日は最新アルバム『ピーカン』の曲をたくさん演奏するということで楽しみにしていたのですが、僕が歌詞を書いた「Brand New Day/Brand New Song」の前にとても丁寧に作詞家である僕のことを紹介してくれて嬉しかった。
もともとこの曲は「escape」という仮タイトルでデモが送られてきたのだけど、そのサウンドはエッジーで躍動的、Foo Fightersみたいだった!全然「escape=逃避行」じゃない!と僕はまず仮タイトルを「NOT escape」に書き換えて歌詞を綴ります。心がけたのは自分でも歌いたくなる言葉で音符を埋め尽くすことでした。この日初めてバンドで演奏された「Brand New Day/Brand New Song」はすごい音圧で疾走感があって、村田バンド必殺の多重コーラスで再現されました。自分が書いた言葉を村田さんが熱唱し、パーカッションのコイタさんがニコニコとハモり、サビはトーベンさんも加わって「誰も見たことのない色/どこまでも繋がっていくBLUE」という決めのフレーズ。感動しました。GOMESでカバーしたりしたら面白いかもな。
村田さんの新譜のなかで一番好きな歌は“君はユーミンが大好きだった”と始まる「さよなら逗子マリーナ」という曲。この日も染みた。杉真理さん同様村田さんの活動からは刺激がたくさん。僕よりも20年先を行く大先輩が年間100本以上のライブをしているのだから僕ら40代ミュージシャンにももっと楽しい未来があるはず。前日の満員だった会場のことを思い出しながら2階席から見下ろしてみたり、1階奥の立ち見スペースだったところから音を聴いたりして、ライブに来てくれたお客さんたちの感覚を追体験したりしながら、2夜連続の吉祥寺の夜は楽しくふけていきました。村田さん、あらためて還暦おめでとうございます。いつまでも若く。
Posted by monolog at 11:35│
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