
お昼すぎに会場入り。恵比寿天窓switchでのバンドでの演奏は7年ぶり。会場スタッフが初めてのゴメスをとても楽しみにしてくれていて嬉しかった。PAを担当してくれたのはエンジニア古賀健一くん(コガウジ)。彼は今年春のプラネタリウムでの“夜の科学”の音響、高野寛トリビュートの「夜の海を走って月を見た」のミックスに続いてサポートしてくれた、同郷の頼れる後輩。十分な時間を取ったつもりがやはりリハーサルは開場ぎりぎりまで続きました(開演遅れてごめんなさい)。
僕は前回と同じようにジャケットを着て、白いシャツにモノトーンのネクタイを締めました。MCでも言いましたが僕にとって再始動GOMES THE HITMANは“あの頃”の鮮やかなパステルカラーでもノスタルジックなセピアでもなく、何の色もついていないモノトーンがテーマです。そして前回同様にスタックリッジの「Lummy Days」に導かれてステージへ。上も下もびっしり集まったお客さん。ミュージシャン冥利に尽きます。オープニングは『omni』を再現。「sound of science」のイントロから「愛すべき日々」へ。



前回のスターパインズカフェ公演はメジャーデビュー15周年にフォーカスしたので、2000年代のVAP時代の楽曲は「手と手、影と影」のみの演奏でした。今回は『omni』から『ripple』の楽曲をまとめて。「明日は今日と同じ未来」はちょうど10年前の今頃リリースされたシングル。この頃のGTHはサポートギタリストの藤田顕くん(アッキー from PLECTRUM)にどんだけお世話になっていたことか。4人だけで演奏してみて身に沁みてよくわかった。前の晩にそのことを伝えるメールをしたらアッキーは佐野元春さんツアー先の福岡から再始動へのメッセージをくれた。MCでも紹介したアッキーのコメントは「一度止まったバンドを動かすのは急勾配の坂道発進。メンバー各々音楽活動を続けている最中、この時期の再始動は奇跡だと心から思う。おめでとう!」彼らしい優しい言葉でした。
そして「夜明けまで」で始まった『mono』楽曲パートではとにかく「笑う人」の演奏が熱かった。懸案だった間奏部分のラップもちゃんと滑舌よくできてよかった!この頃の楽曲はよく練習したから身についてるのだな。アコースティックパートでは須藤さんにエレキを弾いてもらって「シネマ」をしっとりと。そして「僕たちのニューアトラス」で始まる“まちづくり”三部作は「言葉はうそつき」のパワーポップ感にしびれる。「後戻りのできない年月を残り少ない日々で割ってみて、頭を抱えた方程式の先に数えきれない答えが」というリリックの力強さよ。色褪せない良い曲を書いたな、26歳の山田稔明よ。




今年初夏から何度も弾き語りで歌ってきて、先日の鎌倉「ひなたのねこ」展ライブでも演奏した「スティーブンダフィー的スクラップブック」をバンドで合奏してしみじみと感動してしまった。誰かが終演後に「ダフィー良い曲だよね。ここ何日かずっと頭で鳴ってた」と言ってくれたが、僕も今年もう一度好きになり直した。「down the river to the sea」と合わせてこの切ない夏を回想させる歌。ここまで演奏してきて客席の皆さんは気づいただろうか。前回の時系列で古い順に辿っていったのとは真逆に、今回はVAP時代から遡っていくセットリスト。メジャーデビューミニアルバムからの秋の賛歌「夕暮れ田舎町」そしてインディーズ時代の「オレンジ〜真実」(これも秋から冬の歌だ)で本編終了。




アンコール1曲目は「遅れてきた青春」、1997年に初めてインディーズでリリースしたCDに入っている曲だが、これは大学生の頃に書いた歌。思えば僕は19歳からGOMES THE HITMANを名乗っていて、そのバンドで40歳になっても歌っている。これはとても幸せなことだ。アウトロでの「ラララ」の4人のコーラスにお客さんの声も重なって感動した。最後に歌うのは「tsubomi」これも最初のインディーズ盤に収録され、メジャーデビューミニアルバムでも再演されたGOMES THE HITMANを象徴する歌。『「17歳の頃流した涙』を思い出し笑いした20歳の僕」を40歳の僕が愛しい気持ちで見下ろしながら歌う2014年。
熱心に観て聴いてたくさんの拍手をくれた皆さんに感謝。ライブに来られなかった皆さんにはまた次の機会にもっとすごいものを観せられるように善処します。前回と今回でGOMES THE HITMANは40曲の楽曲を演奏しました。そして楽屋に戻ってすぐ息を切らしながら「来月は◯◯◯やろうよ」「まだ◯◯◯もやってないよ」とニコニコしながら前向きなミーティングをしました。アニバーサリーイヤーの最後を飾る12月の“猫町オーケストラ”(7年ぶり)ではみんなが好きなあの曲も僕らが好きなこの曲も全部入りでお届けしようと思います。お楽しみに。


