昨日のこと。2月公開予定の映画「
はじまりのうた」の試写会を一足早く観させていただく機会を得た。2007年「ONCE ダブリンの街角で」を撮ったジョン・カーニー監督によるニューヨークを舞台にした作品。お互いを必要なパートナーとして活動するミュージシャンカップル、二人で作った曲が映画主題歌に抜擢されてメジャーデビュー決定。ニューヨークにやってきてセレブのような生活、しかし光と影のなかでのすれ違い、浮気の発覚などで状況が一転、行き場のない孤独へ突き落とされてしまった主人公グレタは行くあてのないまま街をさまよい・・・というストーリー。
主人公を演じるキーラ・ナイトレイの可憐さと眼差しの強さは物語をグルーヴさせる。全盛期のウィノナ・ライダーにも似た雰囲気。彼女に目をつけるプロデューサーを演じるのは「キッズ・オーライト」のマーク・ラファロ、スターダムにのし上がる彼氏役はMAROON5のアダム・レヴィーン。劇中の音楽も素晴らしく、その制作過程とニューヨークの街並を眺めているだけでもわくわくする。銀座までの行き帰り、昨日はずっと冷たい雨の日だったが、この映画を観てとても楽しい気分になった。行ったことのないニューヨークに改めて強く思いを馳せることにもなりました。「ONCE ダブリンの街角で」も映画を見終わってすぐサウンドトラックを買った記憶があるが、「はじまりのうた」のレコードも今日早速買ってきた。キーラ・ナイトレイ自ら歌った歌はとにかく瑞々しく、インディ・クイーンのよう。音楽がいい映画はそれだけで素敵な映画。音楽好きにも映画好きにも、ミュージシャンの友だちや後輩にも薦めたくなる作品でした。
原題は「BEGIN AGAIN」、もう一回やり直すという意味。「始める」とはすなわち「やり直す」ことだ。音楽というのはみんなで楽しく共有することだってもちろんできるが、固く閉じた心に忍び込む魔法のようなものでもある。独りになりたいと願う人だって膝を抱えて目を閉じていても耳にイヤホンを突っ込んで歌を聴くのだから、音楽にはまだまだいろんな可能性があるよな…と、なぜだかそんなことを改めて考えさせられました。
Posted by monolog at 21:31│
Comments(0)│
TrackBack(0) │