初めて小説を書いたのです。
僕は2001年にポチを飼い始めたときからずっと猫についての日記をつけていました。うちにやってくるなりポチは怪我や病気で病院通いが続いたので、それは「猫の看病日記」というタイトルで綴られました。10余年を元気に楽しく暮したポチでしたが、2013年からその日記は再開されることになり、去年ポチは15歳で旅立ちました。ポチのことを想うとき、いいときのことも悪いときのことも、本当に些細なことまでなんでも思い出せます。
猫についての小説を書いてみないか、という話をいただいたのは去年の晩秋でした。ポチ実という、死んだポチに瓜二つの仔猫が現れて、「信じられない」「奇跡だ」とか「できすぎた漫画みたいだ」とかいろんな反響がありましたが、「事実は小説よりも奇なり」を実際に体験して、エッセイを書くよりもそれを物語に昇華したい、と僕も思ったのです。年明けに草稿を書き、最新アルバム『the loved one』制作期間を経て、6月からひと夏をかけて原稿用紙200枚くらい書き散らし、組み立てて、まさに今日すべて脱稿したところで、まだあまり実感がありませんが、僕が書かなければならなかったものが書きあがったと思います。推敲の作業はまるでアルバムの曲順を並べたりミックスの微調整と同じで果てしなく、キリがなく、ものづくりの面白さと奥深さを改めて実感しました。
猫に九生ありということわざがありますが、奇しくも今日は9月9日、ポチ実がうちの猫になってからちょうど1年のこの日のタイミングに、胸を張ってこのお知らせができることを幸せに思います。タイトルは「猫と五つ目の季節」、初めての小説、11月3日に書店に並びます。10月には物語の舞台となった吉祥寺で先行発売イベントも決定。どうぞよろしくお願いします。
猫と五つ目の季節 山田稔明
出版社:ミルブックス |2015年11月3日 発売 価格1300円(+税)
四六版 ハードカバー 176ページ ISBN978-4-902744-79-8 C0093
音楽家の<僕>が愛猫と過ごした愛おしい季節
三毛猫ポチが招き入れた奇跡の物語
日々のささやかな風景を鋭い感性で繊細に描写した歌詞で定評のある
シンガーソングライター・山田稔明(ゴメス・ザ・ヒットマン)が
愛猫と暮らした13年を魂込めて綴った、自伝的初小説
★内容紹介
吉祥寺、葉山を舞台に繰り広げられる、猫と人との種と時間を超えた感動の物語。
著者が経験した、奇跡のような実体験をそのまま小説にしました。心地よい感動の後
自分にとって本当に大切なものは何か、それを見つめ直すきっかけを与えてくれる
愛に溢れた物語です。さらには猫と暮らす上での大切な基礎知識も丁寧に描いており
猫のことを知るため、猫を飼うためのマニュアル書としての実用面も兼ね備えた
今までにない「猫小説」です。
<発売記念ライブも決定!>
2015年10月18日(日)@ 吉祥寺 キチム
山田稔明『猫と五つ目の季節』発売記念ライブ
LIVE “猫と五つ目の季節”
18:30開場/19:00開演/前売4000円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with itoken、近藤研二 他
*チケット情報など詳細は追ってお知らせします