2015年10月17日

小説「猫と五つ目の季節」のこと8|ポチとマルオの子守唄

ご近所に住む音楽家、近藤研二さんと初めて会ったのは去年の11月。もうすぐ1年になるのだけど、いろんな出来事が詰まった濃密な1年だった、と改めて驚く。『the loved one』というアルバムは近藤さんとの交流がなければ今と違う形になっていただろうし、「ポチの子守唄」は近藤さんの魔法なしでは天まで届かなかったでしょう。時期を同じくして愛猫を亡くすという経験を共有したことも交流のきっかけだったかもしれませんが、僕の生まれ故郷鳥栖と近藤さんの久留米はほぼ同じ文化を持つ地域、方言も一緒ということで、頼れる先輩が現れた!という感覚がありました。「猫についての小説を書くことになったんですよー」と本の企画が立ち上がった頃からずっと話をしていましたが、なかなか物語と向き合うのに腰が重かった近藤さんから「猫と五つ目の季節」への感想コメントが届きました。明日は近藤さんのギターで物語を歌いたいと思います。

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自分も登場人物のモデルになっていると聞いていたのでドキドキしながら読んだ。
山田くんと知り合ってまだ一年の僕は実際にはポチに会ったことがないので、
事実ポチの世話をしていたイトケンとミックスして「エンケン」という登場人物が
生まれたのだろうか。コンケンとイトケンで「エンケン」かー。

さておき、“事実は小説よりも奇なり”というが、僕が知っているここ一年のことは、
ほぼ脚色なしで描かれている。それでいてこんなにドラマチックな後半の展開があるのだから、
本当にすごい猫体験をしたものだなあと思う。序盤のポチが行方不明になるシーンで、
些細なことで何かを失うかもしれないという体験にとても感じ入って心を揺さぶられてしまったので、
そのワクチンのおかげで後半にかけての重い展開も冷静に読むことができた。

それでもやはり、自分も昨年愛猫を亡くしたばかりなので、なかなかズシンとくるものがあった。
だけれど、山田くんの天性の前向きさ、飄々とした慈悲深さと言うのか、
そんな「気」がどこの行間にも感じられて、彼の歌とまったく同じように心地よい読後感に包まれた。
『the loved one』 のまさに小説版だ。ポチとポチ実だけが本名の物語。
こんな作品をお兄ちゃんに作ってもらえるなんて。同じ愛猫家として少しジェラシーを感じる。

ここは是が非でも「ミーコ」をマルオという本名にして僕も何かを残したいものだ。
その時はポチは「ハチ」、ポチ実は「チミーコ」という名前になるので、よろしくね。

近藤研二(音楽家)


Posted by monolog at 23:49│Comments(0)│TrackBack(0) │

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