



ポチ実のお母さんであるチミママが、TNRを受けたあと半年を経てうちの庭に現れたことは前回の猫騒動日記に書いたのだけど、それからずっとチミママは通い猫として姿を見せるようになった。僕も喜んでチミママ用のご飯を買ってきたり、現れるたびにちょっと食べさせ過ぎかなあというくらい優遇するのだけど、最近では距離が縮まってきて毎日楽しい。距離が近くなるとチミママの耳のさくらカット(不妊手術を受けた証)と、さらには耳の後ろにカサブタみたいな古傷があるのも見えて、外猫としての過酷な日々のあとも垣間見える。もちろん彼女に一定の警戒心はあって、触らせてくれたりはしないが、僕のことを害のない何者かだと認識してくれてはいるのだろうチミママと対峙することが日常の一コマになったことが嬉しい。チミママには大人の魅力がある。
そして、ポチ実の反応なのだけど、目を真ん丸にして緊張感をたたえる彼女を見るのも面白い。チミママが現れたのを一番に察知するのはポチ実で、「ウー」「ニャアアン」とチミママに話しかけてしっぽは太くふくれている。一階のリビングの掃き出し窓からチミママを一心に見つめて、ご飯を食べ終えたチミママが歩き去って姿が見えなくなると今度は2階のベランダまで駆け上がって塀づたいに寝床へ帰っていくチミママの姿が消えるまで眺める。昨日なんかはもう「ウー」と唸るのもやめてしまって、ガラス窓を挟んだ目と鼻の先でチミママがご飯を美味しそうに食べるのをポチ実はずっと眺めていた。
猫が小さな頭で何を考えているかは全然想像がつかないが、猫をずっと眺めていると意外と深遠な思考を重ねているのかもしれないな、とも思えてくる。チミママはチミママでその思慮深い顔でポチ実をキッと見つめるし、親と子の間では(一度親離れ/子離れをすると“親子”という認識はなくなってしまうというのがよく言われる猫についての常識だけど)声なき声でのなんらかのコミュニケーションがなされているのだろう。猫騒動は始まりから1年半を経てもまだまだ続くのだ。

昨年秋の「吉祥寺の猫まつり」に続いて「ちよだ猫まつり」に参加することになりました。楽しみです。

ちよだ猫まつり2016 @ 千代田区役所1階イベントスペース
2016年2月20日(土) 観覧無料
近藤研二ソロアクト11:30 - 12:00
山田稔明 with 近藤研二 17:30 - 18:00
千代田区役所1階・4階(千代田区九段南1-2-1)
地下鉄九段下駅6番出口