2016年03月08日

言葉と旋律の自由|NAOT TOKYO 二周年記念LIVE(2016年3月6日 @ 蔵前 NAOT TOKYO)【ライブ後記】

IMG_7558

週末のこと。昨年末には開催が決まっていて、ずっと楽しみにしていたNAOT TOKYOでのアニバーサリーライブ。2年前の開店記念、昨年の1周年に続いて同じ空間で3度目の高野寛さんとの共演、そこに今回は作詞家・作家の高橋久美子ちゃんの朗読が加わるのだから楽しくないわけがない。東京スカイツリーを眺めながら蔵前へ。年末の高野さんとの広島共演旅がとても刺激的なものだったのでこの日もワクワクしながら。初めての久美子ちゃんは少し緊張気味?しかしリハーサルで実際に音を出したらとくとくと言葉が溢れてきて、水を得た魚のよう。

満員の会場、NAOT宮川夫妻の挨拶、そして高橋久美子朗読でライブがスタート。久美子ちゃんの愛媛弁のおしゃべりで会場の緊張感が緩んでいった。呼び込まれて僕もステージへ。3年前上田市で行なわれた「ヒトノユメ」のときに一緒に朗読CDを作った夏を思い出す。「深夜のタイごっこ」という詩をギターとグロッケンを添えてふたりで読み分けた。同じく一緒に作った「幸せほっぺのマンマローザ」というCM曲もぶっつけ本番で。高野さんと久美子ちゃんの即興のセッションも素晴らしかった。高野さんのギターは何層ものレイヤーで乱反射して言葉と撹拌していくような感覚がありました。メロディも言葉もまだまだ自由でいろんな可能性がある。

2番手は僕のステージ。NAOTは“旅する靴屋”のイメージなので「blue moon skyline」という旅立ちの歌を1曲目に。「きみは三毛の子」は演奏するたびにキーが高くなっていき、最終形に辿り着いたかな。先月亡くなった村田和人さんを想いながら僕が作詞を担当した「Brand New Day / Brand New Song」をカバー。折りに触れ歌い継いでいくつもりです。高野さんを呼び込んでの「夜の海を走って月を見た」は隅田川の水面に揺れる光によく似合う。少し前は歌うのが億劫だった「あさってくらいの未来」が最近とてもしっくりくる。発語の快感のようなものを感じている。

IMG_0248

そして最後は高野寛さん、「風をあつめて」で始まるセットリスト。10余年前に書いたメロディに新しく言葉を添えたという新曲が興味深かった。最近特に誰かが歌う“新しい歌”のテーマがとても気になる。良い夜だなあと感動しながらラストの「All Over, Starting Over」までしみじみと聴いた。

アンコールでは高野さんと久美子ちゃんと僕、3人のセッション。まず「太陽と満月」、高野さんにレコーディングでギターを弾いてもらった曲だが、それよりも前に久美子ちゃんととセッションをしたことがあった。“君はおしゃべりな青い鳥/僕はうそつきな猫”という書き出しの「太陽と満月」という詩を久美子ちゃんが朗読、高野さんと僕はギターを鳴らす。歌が始まると久美子ちゃんはグロッケンを叩き音楽家の本能を見せた。高野さんの「夢の中で会えるでしょう」ではコーヒーの空き缶とお米で急場しのぎで作った手作りシェーカーがとても良い音を鳴らしていました。手拍子で小さな会場全体がもっときゅっと親密に。

IMG_7524

IMG_7522

IMG_7528

終演後の打ち上げも楽しかったから僕は少し飲み過ぎてしまった。
また来年も同じ空間に集まれたらいいな、と思います。

Posted by monolog at 23:04│Comments(1)TrackBack(0)

この記事へのトラックバックURL

この記事へのコメント
ライブ、改めて内容盛りだくさんだったのがわかりました。道行く人は、中でこんなに素敵なライブをやっていたなんて気づかないで通り過ぎるのですね。少しでも知ることができてよかったです。 上田ヒトノユメ十五夜祭りも素敵な夜だったのですね。 少し前は歌うのが億劫だったという「あさってくらいの未来」、今のを聴いてみたいです。 3ショット、お三人の揃った真っ直ぐな視線、清々しくて目が離せません。
Posted by motokoishita at 2016年03月09日 05:15