
先週末の話。前日福島日帰りに続いて日曜日も早起きして羽田空港へ。旅が続くと時間にルーズになる傾向が僕にはあって、この日もヒヤヒヤしながらチェックインして機上の人に。窓から見下ろす北海道の大地がパッチワークみたいでとてもキレイで「今までもこんな風景の上を飛んでいたっけなあ?」と新鮮な感覚(ライブ翌日おねだりをして見下ろした風景のなかを車でドライブすることになる)。奇しくも同日に札幌でライブのノーナ・リーヴス組と同じ便、同業者との遭遇は嬉しくパッと笑顔になって「お互い頑張りましょー!」と別れる。
レストランのやに到着、リハーサル。今回が記念すべき10回目のライブだ。初めてのライブは2009年、もう7年も経ったのだ。のやは特別な空間。どんなに疲れてたどり着いてもその会場の響きに自分自身が鼓舞されて思っている以上の声が出る。この日もそんな日。キッコリーズのカポウさんと池田靖司さん(池ちん)も加わってセッションリハ。初めて演奏する曲を中心に練習、気づいたらもう開場直前。おなかが減ったままライブスタート。会場は満員御礼、初めて僕のことを観るお客さんもたくさんいる。


簡単な自己紹介パートとして『pilgrim』『home sweet home』『新しい青の時代』と最初の3枚からの曲を中心にした、いわば第一部は久しぶりに歌う曲も多くて個人的にも新鮮。「一角獣と新しいホライズン」前のMCも、もう何回話したかわからない小咄だがみんなが笑顔になるのが嬉しい。「月あかりのナイトスイミング」も自分の声のなかの“ある成分”が軟石作りの壁に染みこんだり跳ね返ったりするのを感じて気持ちよかった。また新しい夏が始まる、と歌いながら思った。
第二部は『pale/みずいろの時代』からのセット。1993年に書いた「スミス」を歌う前にThe Smithsの「ASK」を。これまでのライブでは「Cemetry Gates」だったが「ASK」も屈指のフェイバリットソング。今回レコーディングしたバージョンには「ASK」間奏部分へのオマージュが含まれている。「ナイトライフ」は今回初めてバックトラックとの合奏。「calendar song」では自然発生的に手拍子が起きて予想以上に掛け合いが盛り上がった。『pale/みずいろの時代』からこぼれ落ちた曲として「毎日のポートフォリオ」という未発表曲、のやファミリーからのリクエストに応えて演奏したがとても小気味の良い曲で夏のツアーでのレパートリーにしようと思いました。
第三部、キッコリーズのふたりを迎えてのセッションは新作から池ちんのペダルスティールとカポウさんのノコギリ(ミュージカル・ソウ)の浮遊感のなかで「気分」を初合奏。キッコリーズが最近僕の「些細なことのように」をカバーしてくれているというので、この日はカポウさんメインボーカルで彼ら流の演奏。僕はハーモニーとハーモニカを。息のあった演奏ができる友だちが遠く離れた街にいることが嬉しいし、もはや「遠く離れた」と感じていない自分がいました。本編最後は「ユートピア」、これものやファミリーからのリクエスト。「忙しい連休がすぎてユートピアを聴いたらすっと自分のまわりの時間が静かに戻った気がしました」と旅の終わりにメッセージが来た。嗚呼、家よ。


アンコールでは新曲「きみは三毛の子」を。この日も「毎日インスタグラム見ています」「初めて歌を聴きにきました」という人が多かったけれども、そういうみんなに「ポチ実の主人が変なうた歌わない、良いシンガーでよかったですねえ」と言うことにしている。全部繋がっていくのだ。最後は「ハミングバード」で名残惜しい気分を引きずりながら大団円。今年一番気持ちよく歌えたライブでした。終演後もたくさんのサインと握手と会話。またすぐに札幌に戻ってきたいと思うような素晴らしい夜でした。恒例の美味しいものづくしの打ち上げも夜遅くまで。カポウさん、池ちん、のやファミリーにスタッフのみんな、そして遠くから近くから駆けつけてくださったお客さんたちに大きな感謝を。
