
自分にとっての現在位置再確認の場所、下北沢leteでの定期演奏会。2013年から始まり約2ヶ月に一回、今回が15回目の「夜の科学 in 下北沢ー小箱のなかの音楽」でした。この日の個人的コンセプトは今年歌いそこねている夏の歌を歌うこと、そして初演の新曲を歌うことでした。8月はずっと作曲作業、新しい歌が夏の終わりに間に合いました。この日はMartinのアコースティックギター「OM18V」と齢50年を越えたエレキギター「Harmony Alden 9908 H45 Stratotone」で。満員御礼、しかし静かな緊張感のなかでライブは始まりました。
「pale blue」から始まって「モノクローム」、そこから2009年『pilgrim』収録の「三日月のフープ」。「三日月のフープ」は「ナイトライフ」にも似た、少しひんやりした手触りのある曲で僕のカタログのなかではレアな曲調。「雨に負け風に負け」も『pilgrim』収録の夏バテソング。振り返ってみると『pilgrim』は夏のアルバムだなあと思う。「20世紀の夏の終わり」はGOMES THE HITMAN2003年『omni』収録だけど、書いたのは文字通り20世紀末の夏だった。長い夏に手を振りさよならする。さよなら。
「THERE IS THE LIGHT THAT NEVER GOES OUT」は僕が2番目に好きなThe Smithsの歌、続けて「スミス」を少しスローに。「一角獣と新しいホライズ」からの流れで歌ったのは村田和人さんが曲を書いて僕が歌詞をつけた新曲。「曲が生まれ変わった!」と褒めていただいた歌詞を敬意を込めて歌わせてもらった。また機会があれば村田さんファンにも聴いてほしい。そして8月に書いた僕の新曲は紛うことなき夏の歌だ。「絵に描いた週末」という仮タイトルで歌ったが気が変わったから次に歌うときはタイトルが変わります。「DAY IN, DAY OUT」という曲はもともと「名前のない歌」という仮タイトルで2013年に「60歳になっても歌って恥ずかしくないような歌を」と書いた曲をさらにリライトしたもので、とても良い響きが加わったように思う。サトミツ&ザ・トイレッツのために書いた曲もとても素直なかわいい歌に育った。夏休みの宿題を一気に提出するような新曲、未発表曲コーナーでした。
アンコールは9月の歌を。「harvest moon」を歌うと自然と虫の鳴き声が聴こえてくるから不思議だ。ラストは新しい季節へのはなむけの歌「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」。9月になると思い出すことがたくさんある。静かにひんやりと始まったこの日のライブも最後はニコニコとポジティブな雰囲気で終了、熱視線をありがとうございました。また下北沢で会いましょう。



