



先々週の日曜日の話。前日大阪雲州堂ライブ終了後、広島世羅まで走って宿にチェックイン。簡単にご飯を食べた後はライブ当日に備え就寝。なんといっても朝の8時半会場入り。僕らはロビーに8時集合で会場のせら夢公園へ向かいます。昨年は高野寛さんと視察に来たこの場所。「来年大きなステージ作ってフェスができたらいいね」と言っていたことが実現。空模様は朝の時点では日差しもあったのだけど、どんどん曇っていく。会場設営に奔走するスタッフの皆さんのためにもなんとか持ちこたえてほしい。フィールドステージのトップバッターを務める僕はは9時半からリハーサル。広い公園に響く音が気持ち良い。
この日は気球のアトラクションがあるはずだった。僕も乗るのを楽しみにしていたのだけど、数回ふわっと浮かんだだけで、風のためやむなく中止に。残念。10時過ぎて開場。この場所は自家用車がなければどんな交通機関を使ってもアクセスの便が悪いところ。広島や尾道からのバスが人を運んできた。時折まとまった雨が降ってくるようになった空。広島福山在住の盟友溝渕ケンイチロウ、そして同じく広島在住、小説『cobblestone』『夫婦フーフー日記』作者の清水浩司さんもやってきて嬉しい再会。そして山田稔明バンドの演奏が11時30分からスタート。
なんと空から日差しが。僕が晴れ男、真里さんも晴れ女だが、半ば諦めていた空模様が味方をしてくれて嬉しい。短い時間の演奏でしたが、一瞬一瞬を楽しみました。まずは前夜に広島カープが25年ぶりの日本シリーズ進出を決めたことをお祝い。「太陽と満月」で始まって、近づく秋の紅葉を見つめながら「光と水の新しい関係」、そしてワインが名産の世羅に「光の葡萄」を捧げました。お客さんがどんどん原っぱに集まってくるのを眺めながらリラックスしたムードで進むステージ。






ボブ・ディランがノーベル文学賞を獲ったことから急遽セットに組み込まれた「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」、そして「my favorite things」から「calendar song」と小気味良いテンポの曲が続き、やっぱりバンドで大きな音での演奏は楽しいなと感じました。もっと回数を増やしたいな。五十嵐くんがベースを弾くイレギュラーな4人編成でのライブでしたが、僕らをお目当てに来てくださった方も多く、とても印象に残った40分でした。そして最後まで薄明るい空の下で奏でさせてくれた天気の神様にも感謝。

バックステージには続々と出演者が集まり、カーネーション、高野寛バンドと旧知の面々の世羅での邂逅に湧く。地元のお母さんたちが作ってくれたご飯がとにかく美味しくて、松茸ご飯、世羅牛とご馳走だらけ。一日ずっと音楽のなかで過ごしました。カーネーションは学生時代に愛聴した「Edo River」に小躍り、高野さんのステージも宮川剛さんと鈴木正人さんとのトリオで素晴らしく、「確かな光」に聴き入って「虹の都へ」から始まるエバーグリーンクラシックで身体を揺らした。二階堂和美さんのトリのステージは圧倒的で心が震えました。時折雨に降られたけれど、広島の他の地方はもっとひどい土砂降りだったそうです。
会場で声をかけてくださった皆さんありがとうございました。長い一日、お疲れさまでした。打ち上げも夜中まで。東京のミュージシャンと地元のみんなが組んず解れつして楽しい宴でした。カメラ=万年筆の佐藤優介くんと話ができたのもよかったな。また来年も「ケ・セラ・セラ・フェス」が開催されることを祈ります。また来年も広島に来たいなあと思いました。仲良くなったケ・セラ・セラのスタッフがお花屋さんをやってるということで、翌朝東京に戻る前にお店に立ち寄らせていただいて、お土産にハートカズラをいただいた。あれから2週間経ちますが、世羅でいただいたケ・セラ・セラの愛の形がハートカズラの♡となって軒先で揺れています。
そして何よりも、イトケンさん、五十嵐くん、真里さんの力強いサポートに感謝。




