
11月半ば、半年ぶりにその姿を現したチミママ(ポチ実のお母さんだと推測される地域猫)は、その後もほぼ毎日わが家の庭を訪れるようになった。“ほぼ毎日”というのは、やっぱり気まぐれに丸一日顔を出さなかったりするときもあるからで、そうなると今度は「チミママ、なんで来ないのかなあ。どこかに用事でもあるのかしら。他に美味しいご飯くれるとこが?バイト?パート?」と心配になったり詮索したりもする。で、気を揉んでいる僕の目の前に何事もなかったようにすっとクールに登場するのがチミママらしさでもある。真っ赤にただれていた耳の後ろの炎症も抗生剤が効いたのか傷が乾いて良くなった。最近では夜になると点灯する“チミママライト”が導入されて、暗い夜でもチミママが夕飯を食べにきたのがすぐわかるようになっている(だいたいポチ実がチミママを見つける)。
チミママのこちらに対する態度には少し変化があった。かつては窓を開けたり手を伸ばしたりすると一旦木を伝って塀の上に退いてじゅうぶんな距離を取ってこちらを牽制する感じがあったのだけど、今ではあくびなのか威嚇なのかわからない「シャー!」の表情を見せて、少し離れたところでご飯の皿が出てくるのを待つようになった。なんとチミママはあらゆる猫を魅了するはずの「CIAOちゅーる」を好まない。こんなもの食べ物ではないわ、というような素振りでまったく手をつけないから不思議だ(だからチミママのためのプレゼントにはCIAOちゅーる以外が好まれます)。最近ではポチ実がチミママに積極的にモーションをかけ過ぎて、チミママがめんどくさそうに踵を返して帰っていくことも増えた。「ほらー、チミママ来なくなっちゃったらどうするんだよー」とポチ実を責めたりするけど、しばらくするとチミママはまた戻ってきて窓ガラス越しにコミュニケーションが取れているのかどうなのかわからない、熱視線での交信を継続中。
本格的な冬の到来、今日みたいな冷たい雨の日にはやっぱりチミママが心配だ。秘密の場所にしつらえた寝床で丸まって寝ているのだろうか。チミママは孤独な夜を過ごしているのだろうか。うちの庭に来たときに「チミママ来た!」と相変わらずあたふたと僕がキャットフードを準備したり、ポチ実が尻尾を膨らませて上を下へと駆け回るのをどんな気持ちで眺めているのだろうか。チミママは昼間は黒目が細くてとてもキリッとした表情をしているが夜に会うと真っ黒な瞳で可愛く見える。ここ最近は昼夜の二回うちにご飯を食べにくるから(ポチ実が一日に食べる量の2倍は食べてる)、おそらく僕らは嫌われてはいないのだろう。チミママとの蜜月がこのまま続けば楽しいな、と僕は思っている。ポチ実がどう思っているかは知らない。
チミママの近況をエピソード10として、猫騒動 6thシーズンを締めくくりたいと思います。来年からスタートする7thシーズンもお楽しみに!猫騒動はまだまだ続いていくのです。
