ケンイチロウ氏とは加古川チャッツワースでの共演はありましたが対バン相手としてステージに立つのは多分初めて。オバタくんもそのギターの勇姿はテレビでもよく拝見するのだけど、彼が歌うのを聴くのは初めて。「先輩を前に…」と緊張気味でしたが、とても誠実な、等身大の歌を歌っていてすごく良かった。僕はここ最近では珍しく、バンド時代からの縁が繋がったライブなのでGOMES THE HITMANの楽曲をメインに歌いました。いろいろ思い出したり反芻したりしながら。

リクエストのあった「スティーブン・ダフィ的スクラップブック」からスタート。自分自身でも大好きな歌で、過ぎ去った時間のコントラストを歌うこの歌は旧友との再会の夜に相応しかった。『ripple』からの「手と手、影と影」と「星に輪ゴムを」も時間が経っても昨日書いた歌のような新鮮な気分で歌えて嬉しい。「夜明けまで」もリクエストに応えて。これは今から15年前の今頃リリースになった『mono』のなかの曲。あらためて良い曲だと確認。
リクエストにあった「ハンドクラップを3回」の歌はGTHではなく山田稔明ソロ活動を始めた最初期に書いた歌だけど、ソロ活動開始から10年ということもあったので演奏。ついこないだのことのように思うけど最近10年くらいがあっという間に過ぎる。今年はインディーズデビューから20周年、この20年は途方もなく長く感じるのに、だ。まだCDになっていない「ブックエンドのテーマ」も旧友との再会をテーマにした歌。最後にリリースから20周年の「tsubomi」で春に目を凝らしてエンディング。

溝渕ケンイチロウステージの1曲目に再びステージへ。彼がセロファン時代に書いて、僕がコーラスでレコーディングに参加した「ストレンジャー」をぶっつけ本番でセッション。ドラマーであり、ソングライターであったケンイチロウ氏がここ数年歌い手としてもどんどん訴求力を持ってきているのはすごいことだ。音楽家はずっと成長できるのだな。彼の歌のなかにも「健やかでありますように」と友の近況を案じる歌があった。眺めている方向はだいたい同じなのだな。またどこかで会いましょう。平日の夜にも関わらずたくさんのご来場ありがとうございました。
