


猫騒動というタイトルで2014年秋から綴り始めたこのカテゴリー、シーズン7その1を1月に書いたきりで少し時間があいてしまいましたが、季節は冬から春に変わって初夏へと移行しています。この4ヶ月、それはそれはいろんなことがあった。まだ半分残っているのに2017年はずっと忘れられない年になる予感。昨年から取りかかっていた猫のエッセイ集『猫町ラプソディ』も完成して(評判もよくて)僕のまわりは引き続きざわざわとしている。近藤さんちのモイは頑張って治療を続けていて、ウニもお兄ちゃん思いの妹猫に成長している。
ゴールデンウィークのよく晴れた日に、“国境”という名の、お隣とうちの庭を分かつフェンスを開けはなって、ポチ実とノアちゃんとが触れ合うという出来事もあった。内弁慶のポチ実は腰が引けて、好奇心旺盛なノアちゃんはグイグイ攻める。東京に暮らし始めて四半世紀が経つけれど、こんなふうにニコニコご近所づきあいするようになるなんて予想もしなかったな。僕の住む町ではずっと毎日、猫騒動の日々である。
そして春の訪れとともに、ポチ実のお母さんチミママが2週間姿を現さなくなって、ずっと心配で、「ああ、またチミママは新しい旅に出て半年帰ってこないのかな…」と窓の外を見つめていたら、昨日の夜中にひょこっとご飯を食べにきて、それは奇しくも日付の変わった母の日だったから、僕もポチ実も鼻息荒く喜んで、インスタでの報告を見た皆さんがまた全国で喜んで、猫による喜びの波及効果は計り知れない。
春が来て夏が来て秋が来て冬が来る。そのたびに僕は(僕らは)「また新しい季節だな」と遠くを見つめて思うのだけど、結局いつも、いつでも「また新しい季節だな」と自分が思っていることに気づく。「季節はもう今」というフレーズを書いたときに僕が言い表したかったのはそういうことで、この猫騒動ブログもそんなふうに更新していけたらいいなと考えています。インスタグラム経由でここを読んでいただいてる方、『猫と五つ目の季節』や『猫町ラプソディ』がきっかけで僕やポチやポチ実のことを知ってくださった方、猫騒動日記は大河ドラマ並のスケール、ぜひお時間あるときに最初からお読みいただければと思います。
先日敢行したコンパクトな旅は電車での移動だったので、往復6時間ずっと、今年の2月から5月までの自分のライブ録音を聴き返したのだけど、音楽のなかのそこかしこ、いたるところに猫がいて、我ながら呆れたのでした。季節はもう今。光のスピードに取り残されないように。


