
1週間前、札幌遠征を振り返ります。台風近づく雨の東京を発って辿り着いた札幌はなんと季節外れのあたたかい晴れの日。もうそれだけで気分が盛り上がる。今年は雨が多すぎる。札幌2デイズの初日は札幌市電貸切ライブ、路面電車を借り切って街を移動しながらの宴だ。盟友キッコリーズとの合奏、楽しくないわけがない。うきうきしながら電車事業所へ。ここは電車が眠る倉庫、鉄道好きではない僕でも特別な場所に足を踏み入れている気分になる。キッコリーズと合流してPAのセッティング、ささやかな電飾やポスターなどスタッフ有志が手伝ってくれた。キッコリーズの3人と向き合って演奏、もう最初から最後まで全員出ずっぱりで、お互いの曲に合いの手をいれることになった。
すすきの電停でお客さんが乗車。満員電車が走り出し、まずキッコリーズの演奏。もう長い付き合いになったキッコリーズ、知っている曲ばかりなので僕もコーラスを添えたり手拍子をしたり。東京の都電荒川線でのライブと違うのはもうすでにとっぷりと日が暮れて街の灯が揺れていること。東京での「まちねのわだち」に対してこの日のイベントを「猫町ソワレ」にしたのは「Matinee(昼興行)」じゃなくて「Soiree(夜興行)」だから。飲食自由というのもこっちの特色で、お客さんのなかにはもうお酒を飲んでいる人もいるし、なによりカポウさんたちがビールをプシュッと開けている。「線路は続くよどこまでも」の合唱で第一部終了。



街なかを走って事業所に戻ってトイレ休憩の間に東京から手伝いにきたまちねのわだちスタッフがLullalooお菓子(イベント時にもお世話になった)を販売、hoopline特製の市電バージョンポチバッジはとても可愛くて、あっという間に完売していました。第二部は僕の歌に裕さんのバイオリンを織り交ぜながらスタート。本当にぶっつけ本番の、音楽の会話のようなセッションでした。「blue moon skyline」「街をゆく」と旅の歌から始まり、リクエストのあった「memoria」では乗客のコーラスを煽るのにはしゃぎすぎた僕が変なテンションになったかもな(セイ!)。とにかく楽しくて笑いながら電車は進む。「きみは三毛の子」のバイオリンとのアンサンブルがすごく良かった。正規録音バージョンのヒントになりました。
キッコリーズとの合奏で高野寛さんのカバー「確かな光」、この非日常の環境で日常を愛おしむ歌を歌い上げました。「やまびこの詩」の輪唱も美しかったし、面白くて楽しかった。僕のキャリアの最初のほうには路面電車が出てくる歌が多いのだけど、それはサンフランシスコに憧れていたから。改めて考えてみると長崎、松山、広島、そして札幌と路面電車が走っている街が僕は好きなのだな。二度目のトイレ休憩が終わっていよいよ終点へと向かう折り返し。キッコリーズと僕はまるでひとつのバンドみたいになって、どんなに控えめに言っても最高な演奏をしていたと思います。最後は「線路は続くよどこまでも」の大合唱。ああ、楽しかった時間も終わるなあとしみじみしていたら車窓の外には選挙応援でマイクを握る北海道の大スター松山千春さんが!みんなキャーキャー騒いで奇跡みたいな大団円となりました。
この日のライブを事故なくトラブルなくスケジュール通りに実現させられたのはカポウさん、池ちん、裕さんのキッコリーズチーム、そしてまちねのわだちスタッフの献身的サポートのおかげでした。いろいろスムーズな進行のために協力してくださった皆さんにも感謝。またやりたいなあと思いました。秋晴れの北海道で最高の一日でした。

