
開場、まず皆さんをお迎えしたのは木彫家はしもとみおさんとフェルト猫作家猫ラボさんが手がけた猫町の猫たち、そしてむぎをモチーフにした作品たちでした。猫のパネルも会場のいたるところに。「nekomachi music and art festival」と大きく銘打ちましたが、「art」の部分で皆さんの目を楽しませられていたら嬉しいなと思います。流れていたBGMは『Feline Groovy -24Purrfect Tracks for Kool Kats』という猫ソングばかりを集めた奇盤。家でかけると猫が興奮するのですが、猫町フェス会場に似合う明快な音楽でした。立ち見まで出て満員御礼、わくわくした期待しかない会場に開演時間が来て、まず僕と近藤さんで挨拶。そしてむぎ(猫)ちゃんを紹介しました。むぎ(猫)のライブを僕はフジロックから数えると5回くらい生で見ていますが、その可愛さに慣れることがないという意味ではむぎは猫の中の猫と言えます。この日のソロセットも素晴らしかった。
演奏が始まってしまうと、とにかく猫町フェスはずっと多幸感に包まれていて出演者もお客さんもずっと口角があがったままで、それはきっと会場にいた人全員には説明しなくてもわかることだけど、この感覚を他の誰かに伝えるのって難しいなあと、今僕は思っている。だからこのライブ後記では細かい記述をするのをやめて写真をたくさん載せることにします。むぎのソロが終わって入れ替わりで近藤研二ソロへ。近藤さんがギターのインストゥルメンタルでガラッと空気を変えましたが、一貫した通奏低音のようなものがそこには確かにありました。近藤さんソロセットでは「モイウニマステの歌」の圧倒的なインパクト、そこからのむぎを招いての「アコギなショーバイ」、Wイトケン加わっての「平井さんと猫」でどんどん盛り上がっていきました。僕は今回キンクスの「Phenomenal Cat」とスピッツ「猫になりたい」をバンドアレンジで演奏できて楽しかった。山田、近藤、Wイトケンの組み合わせはなんだかとても良いな。



闖入者がひとり(一匹)ステージへ。むぎちゃんも後を追った彼女の正体は地元吉祥寺のシンガーソングライターイノトモ。カイヌシゆうさくくんがイノトモちゃんのファンだということがわかって、3日前に出演が決まったのでした。イノトモちゃんはカフェ長男堂のマスコットキャラ長男くんのピンクのボディを着込んで汗だくで怪演してくれた。ステージ上6人での「どんなふうに」から猫町セッションの始まり。「アガってく音頭」と「AとBと」はバンド編成の醍醐味…。そう、こういうシーンを想像していたのですが、想像をはるかに越えた興奮がありました。「日向の猫」でむぎのマリンバが主旋律を鳴らしたときの感慨深さ。とにかく熱いものが心にぐっとこみ上げて感動しました。
アンコールでは新曲を歌いました。去年くらいからずっと考えていた、会えなくなった人へ向かって捧げる歌がライブの一週間前くらいにできあがったのですが、これは「天国かもしれない」へのアンサーソングなのかもしれないな、と思った。会えない理由はいつもひとつかふたつあって、それは解決できる可能性がある場合も、もう戻れない場合もあるけれど、大切な誰かを想う気持ちをいつでも忘れないでいたいなあと、そんなことを思いながら書いた歌でした。そして僕とむぎちゃんの出会いの歌でもある「天国かもしれない」、本当に良い曲。ずっと昔からあったみたいな。最後の最後に近藤さんの「toi toi toi」でそこにいる皆さんの、そして世界中の猫たちの幸せをお祈り。なんて完璧なストーリー、猫町フェス2018はそこにいたすべての皆さんのおかげで大団円を迎えました。また来年!という約束もできてよかった。終演後のSNSに踊る言葉や写真、動画も全部保存したいと思ったくらいだったな。








今回のライブでは保護猫活動をされている団体のスタッフの皆さんにもお声がけをして、チラシ等を配布させていただきました。募金箱にもたくさんのお心添えがあったこと報告いただいています。千代田ニャンとなる会はむぎとの共演のきっかけを作ってくれました。地元のむさしの地域猫の会は僕と近藤さんとでここ数年懇意にしています(チミママのTNRでもお世話になりました)。NPO法人ねりまねこをご招待したのはカイヌシゆうさくくんの愛猫むぎが練馬生まれの猫だったからでしたが「音楽やアートなど芸能・娯楽性のある催しの中で、ペットショップ(生体販売)の問題や猫が外で生きるって大変なんだということを伝えてくださったことに感謝します」とお礼のメッセージをいただきました。硬いのも柔らかいのも、意識的/複合的なイベントにできたことがとても嬉しかったです。
ご来場の皆さん、遠くから念を送ってくださった方もたくさんいらっしゃったでしょう、出演者のみんな、スターパインズカフェスタッフの皆さん、みおさん、猫ラボさん、手伝ってくれたスタッフのみんな、ありがとうございました。またみんなで同じように集まって、来年も楽しいことができたらいいですね。間違いなく今年の夏一番熱い一日でした。
