猫の絵や雑貨に囲まれ、満員御礼の会場でライブがスタート。最初は「猫のいる暮らし」をギタレレと生歌で。楽器が変わると曲の響き方も変わるのが面白い。少し季節を先取りして歌った「夏の日の幻」は今ここにいない誰かのことを想う歌。「スティーブンダフィ的スクラップブック」は20年前にリリースした「rain song ep」から。ここにも猫が一匹登場。「何もない人」も猫の描写からヒントを得て書いた曲、というネタばらしを。


新しい試みは詩の朗読。前週に御徒町凧さん主催の詩の朗読会のために書き下ろした「猫のふりをして」というメロディの付いてない詩を読みました。そして、ライブ当日の朝に書いた新曲「明け方のミー」を拙くも演奏、歌詞は数日前の眠れない夜にばったりキッチンでポチ実と出くわしたことがきっかけで書きつけたメモから。「きみは三毛の子」に続いてポチ実の歌が増えました。ポチ実アルバムとか作れたらいいね。
久しぶりに「ポチの子守唄」をギタレレで。この歌を歌うと蘇る景色がある。音楽はまるでタイムマシンだな。「lucky star」はリクエストに応えて。そうでなくてもこの頃毎回歌っているこの曲は今年のお気に入り。「日向の猫」のみんなのコーラス、「my favorite things」がどんどん躍動していく感じもよかった。目に見えない猫がくるくる遊ぶイメージ。「small good things」は歌うたびにハッとする曲。前述した珍しく眠れない夜があったからなおさら。誰もみな夜明けと言葉を待っているのだ。
アンコールでは「セラヴィとレリビー」と、新曲「明け方のミー」をもう一回。この日はなんだかぺらぺらと調子よく毒も含めていろいろしゃべって、笑い声もたくさん沸いていたけれど、ライブ会場にいた人だけが知っていることがあるっていうのが、なんだかいい。ライブには出展作家の片岡まみこさん、江戸屋猫ハッピーさん、出口かずみさんが顔を出してくださった。sippo編集部の方も来てくれて嬉しかったな。とてもいい空間でした。またの機会を楽しみにしています。
僕にとって平成最後のステージでした。

