ソロ10周年記念2DAYS公演、2日目。前日とまったく違うメンバーでのステージなのでリハーサルも開場時間ぎりぎりまでみっちりと。安宅くん、イトケンさん、上野くん、そしてベーシストのchubby!とで「山田稔明 with kickinbirds」という名義で月見ル公演をやったのは2007年と2008年の二度。それ以来となる今年、時の流れに想いを馳せるも、実際は終始バタバタとしていました。満員御礼のなかで開演、オープニング曲は新曲「new sensation」、今年の元日に書いた曲。そして「どこへ向かうかを知らないならどの道を行っても同じこと」と続きます。
「一角獣と新しいホライズン」「光と水の新しい関係」と『新しい青の時代』楽曲が続き「予感」では上野くんのフルート、安宅くんのクラリネットとイトケンさんのバスピアニカというアンサンブル。3人ともマルチインストゥルメンタリスト、安宅くんはギター、マンドリン、ペダルスティールにクラリネット、上野くんはフルートに鍵盤ハーモニカにフルート、イトケンさんはパーカッシヴなアプローチのドラムとバスピアニカ、耳が楽しい感じ。「home sweet home」はソロ最初期から演奏している曲なので思い入れもひとしお。
伊藤健太が入ってダブルイトケンのリズムセクション、同じく10年以上演奏している「glenville」をたゆたうように歌う。予期せぬ機材トラブルがあり中断を余儀なくされたけれど、僕がステージにいない間の安宅くんのMCとかホントこのバンドらしさが出てて聞いてて面白かった。「平凡な毎日の暮らし」はバンド編成の醍醐味、気持ちがどんどん高揚していく。安宅くんとふたりで「milk moon canyon」。本当は別の曲をやる予定だったのを急遽安宅くんに付き合ってもらった。この2日間のライブのタイトルは「under the milk moon」だった。大きな月の下でこのメンバーでプレイできる喜びよ。ひとりギタレレで新曲「明け方のミー」を歌い、休憩を挟んで後半へ。休憩中は月にちなんでBright Eyesの「Lua」を流しました。
後半最初はゲストとして五十嵐祐輔くんを招き入れた。彼がfishing with john以前にやっていたバンドのCDにコメントを寄せたのが知り合ったきっかけだから相当長い付き合いになってきた。五十嵐くんもマルチ奏者、「やまびこの詩」でギターを、「光の葡萄」と「SING A SONG」ではベースを弾いてくれた。再び伊藤健太登場、今回の2DAYS公演成功は月見ルでブッキングスタッフを務めるイトケンのサポートのおかげ。2日間ベースも弾いてくれた。サトミツ&ザ・トイレッツで時間を長く共にするようになってこういうふうに繋がってくるのも面白い。「太陽と満月」も前日とは一味違ったノリだった気がする。そして「ユートピア」を本当に久しぶりに。10年前は必ず演奏してた歌を改めて奏でてみて、これからまた何度でも合奏したいと思った。それくらい不思議な魅力のある、ひたすら4つのコードの6小節をループする曲。
アンコール1曲目は「セラヴィとレリビー」、「hanalee」では再び五十嵐くんが登場して上野くんとの鍵盤ハーモニカ二重奏。「hanalee」はいつでも、どんなに調子が悪い時でも、流れを上向きにしてくれる曲で、僕自身がこの曲に何度も助けられている感じがする。魔法みたいな。一旦ステージを降りたけれど、やっぱり最後はこの曲、という感じで舞台へ戻って「ハミングバード」。この曲はオーラスで演奏することが多くて、サビの「声を枯らしたハミングバード」と歌うときにちょうど声が枯れているというのが常なのだけど、この日は不思議と(へとへとだったはずなのに)まっすぐに力強い声がポーンと飛んでいったのでした。これから先に続く少し先の未来の方角へ。
2日間、音楽家として本当に幸せでした。よくこれだけたくさんの曲を書いてきたな!という驚きとともに、それを一緒に鳴らしてくれるミュージシャン仲間に心から感謝を。スタッフや友人たち、そして何よりやまない拍手をくれるお客さん皆さんに大きな声で「ありがとう」と言いたいです。これから先の10年もどうぞよろしくお願いします。次のバンド編成ソロは7月6日、新しい物語のページをめくりたいと思います。
2019年7月6日(土)@ 恵比寿 天窓 switch
山田稔明 10th Anniversary Live
“夜の科学 vol.57ー新しい記念日”
18:30開場 19:00開演/前売4000円 当日4500円(ドリンク代別途)
出演:山田稔明 with 夜の科学オーケストラ
山田稔明ソロデビュー10周年の夏、待望のソロ新作についてのプロジェクトを
始動します。音源化されていない新曲群をバンド編成で。丁寧に目を凝らせば
毎日が何かしらの記念日。様々な風合いの楽曲をお楽しみに。
*オフィシャル通販STOREチケットセクションにて受付中
*整理番号順のご入場となります
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