
<GOMES THE HITMAN『memori』各曲解説>
M-1:metro vox prelude
オープニングトラック「metro vox prelude」はメンバーとスタッフ以外まだ誰も聴いたことがない曲です。「metro」とはここでは地下鉄のことではなく、ギリシャ語「metron(=測る)」から引いてきた言葉。ちなみにメトロノームの名称は「metron(=測る)」と「nomos(=制限する)」に由来します。「vox」はラテン語で「声」。僕は中学生のときにこのラテン語をU2のボノが自らを「「ボノ・ヴォックス・オブ・オコンネル・ストリート(Bono Vox of O'Connell Street)」と名乗っていたエピソードをきっかけに知りました(Bono Voxは良い声の意味)。クリスマスイブの真夜中に初めてみなさんが耳にするであろう「metro vox prelude」は『memori』というアルバムの、文字通り「序章」。
M-2:baby driver
2017年の秋に初めてインドネシアのバリ島を旅した。自分が南の島でぼんやりプールに浮いていることが信じられなかったけれど、とにかく忙しく働いてくたびれた僕には、ただただ休養するためのバカンスが必要だったのだ。小さなギターを持っていったので気が向いたら鼻歌を歌った(夜は暗くなったら寝てたのでだいたいお昼に)。エヴァンさんという現地の男性がドライバーとなって僕をいろんなところへ連れていってくれたが、英語の通じない彼とのドライブにドキドキひやひやしてばかりの状況が可笑しくて、それが「baby driver」になった。バリ滞在中に録ったボイスメモ(baby driver voice-memo)があって、それはAメロからBメロまでだいたい完成している。帰国した後あっという間に簡単に全体像ができあがった曲だった。直感的に「わあ、これはすごく、なんというか、GOMES THE HITMANだ」と思って、デモテープも作らずにメンバーに聞かせて、すぐライブで演奏した。直感は間違ってなかった。
*「baby driver」は各サブスクリプションサービスでお聴きいただけます
各曲解説は断続的に続きます。