2019年12月28日

GOMES THE HITMAN『memori』コメント from 中村佑介(イラストレーター)

イラストレーター中村佑介くんは昔からずっとGOMES THE HITMANのファンで、たびたびメッセージを送ってくれる。ゴメスを聴いてこういう絵を描きました、とか、作り手にとってとても嬉しい言葉で僕を励ましてくれるのだ。インディー時代からずっと、20年以上聴いてくれているわけだから、彼の感想を聞くときはいつもドキドキするし、ハッとさせられる。下のイラストは2005年『ripple』をリリースしたときに中村くんが描いてくれた「もうひとつの『ripple』」、そして僕とポチ。長い時間が過ぎて、またこうやって中村くんがゴメスをこんなふうに饒舌に語ってくれることがとても嬉しいのです、僕は。来年はどこかで久しぶりに会ってお茶でもしましょうね。

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こんなにも長い間、隣でただ一緒に歩いてくれる友人を、犬と猫とGOMES THE HITMANの音楽以外、僕は知らない。

幸せなことに、こうして続けてくれたことで、GOMES THE HITMANの音楽との付き合いはもう約20年以上なのかと驚いている。1997年のCDショップで最初に出会った時、ジャケットにメンバー写真がない中、バンド名は腕っぷしが強そうで、曲目を見ても “僕はネオアコで人生で人生を語る” と頑固だったので、「ハードコアバンド!?」と戸惑って視聴してみると、それとは真逆の繊細で優しい音楽性にまず驚いた。その後のメジャーデビュー作は、平坦な日常に斜めからライトを照らし七色に乱反射させたようなシティポップで、大学時代の退屈をずいぶんと救ってくれた。レコード会社移籍後は、音楽性は世界の外へより広く、世界観は自分の内面と向き合うように深くなり、まるで旅するような音楽は、社会人になった僕の心細さに「ひとりじゃないよ」と寄り添ってくれた。

そこから14年、何事もなかったように涼しい顔で届けてくれた新作。収録曲「魔法があれば」で謳われるように、あれからどれくらい生命線を歩いてこれたのか、この目盛りで計ってみよう。メモリーを語り合ってみよう。先のことは心配ない。魔法がなくたって、僕らの暮らしにはいつも隣にGOMESがいてくれるのだから。その心強さこそこれまでとの明らかな違い。空白の14年間それぞれのソロワークスを経た屋台骨の太さは、もはやほんとうにハードコアではないか。

イラストレーター・中村佑介


   http://www.yusukenakamura.net/



  GOMES THE HITMAN『memori』絶賛発売中!

Posted by monolog at 12:19│Comments(0)