最後のswitchでのステージのオープニングは「僕はネオアコで人生を語る」、バンドの始まりの歌を選びました。続けて「北の国から」「スミス」「青年船に乗る」とアマチュア時代からのレパートリーをセレクトしたのもこの日のライブを湿っぽいものにしたくなかったからかも。「carolina」は僕の中では「魔法があれば」に繋がっている。電話よりも手紙よりも強烈な念や思いを信じる気持ち。演奏するのが本当に楽しかった。マスク越しでもスクリーンのコメントを通じてもみんなが楽しんでくれているのが伝わってきました。



2020年のGOMES THE HITMANにはPLECTRUMの高田タイスケの存在が不可欠でした。ずっと友だちだったけどバンドメンバーになるなんて思いもしなかった。『memori』の歌はやっぱり新鮮。ぐっと音圧があがる。まだまだやりたりない。もうすぐリリースから1年になるけれど個人的には2020年代最初の作品だと思っている。「悲しみのかけら」は雰囲気が重たくなりそうで僕がセットリスト案から外してたけどメンバーからのリクエストがあって演奏した。この日歌ってよかったなと、歌いながら思いました。「夜明けまで」とか「houston」とか、そういう歌をプレイすると嗚呼、バンドって最高だよな!と思う。再確認するのです。本編最後は「ブックエンドのテーマ」。みんなが元気で、そして幸せでありますように。誰かが何かの映画か物語かに刻んだ名台詞みたいに感じる。自分で書いたのに。



結局この日は終始笑いの絶えない夜で、湿っぽくなることなくバカバカしくドタバタと楽しいステージになった。そこがとてもよかった。「maybe someday」を4人だけで演奏したあと、再びタイちゃん入りの5人で「饒舌スタッカート」「雨の夜と月の光」。この二曲がシングルレコードになったのは今年の出来事だけどもう遠い記憶のように感じる。どれだけ感動的な心に染み入る歌を歌ってもGOMES THE HITMANは最後にこの2曲があるから大騒ぎして大団円を迎えられるのがいい。
2000年に始まったGOMES THE HITMAN「猫町オーケストラ」。僕がソロ名義で「猫町オーケストラ」という曲を発表したこと、そして「猫町フェス」があったりして、その名前の意義のようなものが不明瞭になっていたこともあって、今回恵比寿でのステージを最終回にして、来年からはまた新しいサムシングを始めようと思います。20年やってきたイベント、持ち曲すべてを演奏して4時間くらいやった回があったり、堀越メンバーが徹夜でクッキーを焼いて来場者全員にプレゼントしたり、とにかくいろんなことがありましたが、新しい歴史を2021年から再起動したいと思います。清々しい気持ちで。
天窓switchのスタッフはみんなとてもいい人たち。本当に長いことありがとうございました。いつもこの恵比寿2デイズを終えると同時に次の年の夏と冬のスケジュールが決まっていたので、今は心もとなく不安だけれど、きっと楽しい来年が来る。そう願う。ご来場いただいた皆さん、配信でお付き合いいただいた皆さん。そしてタイちゃんとメンバー、スタッフのみんな。最後まで付き合ってくれてありがとう。言葉ではうまく言えないけれども!また違う場所で来年会えたらいいな。



photo by rie yoshizumi
*12月13日23:59まで録画アーカイブをご覧いただけます