大統領就任式を見ながら脳裏に流れたのはアメリカのバンド フーターズの「Washington's Day」という曲だった(初代大統領ワシントンの誕生日は実際は2月22日だけど)。この曲が収録された『One Way Home』は僕が中学生のときに初めて買った洋楽CD。歌の中には「アーリントン墓地」「永遠の炎」や「リンカーン」「独立記念日」といったキーワードが散りばめられていて、僕にとってアメリカ文化の入り口だった。このアルバムのなかには南北戦争をモチーフにした「Fightin' on the Same Side」という曲もあってとても示唆的。マンドリンに導かれて「 Washington's Day」ではこんなふうに歌われる。「こちらの世界とあちらの世界がぶつかり合い/時の権力者があなたを思い切りぶちのめす時/あらゆることに立ち向かいへこたれてしまったあなたが/果てしなく続く行列の中で途方に暮れてしまっても/ワシントンの日にはどうか僕ら一緒にいられたら」。
