2011年から作り始めた山田稔明カレンダーは今年で11作目。毎月思い出したようにイラストやデザインにまつわる裏話を書き残そうと思います。2月は2月22日の猫の日があるゆえ、いつにも増して愛猫月間である。今年はちょっと硬派に猫の人権を(猫権を)訴えるイラストを描いた。2020年にアメリカで議論が高まったBlack Lives Matter、BLM運動の流れから秋の大統領選挙、その季節に描いたのでこんなふうになった。そういう意味では近年の世相を映しています。
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<2月:CAT LIVES MATTER>
アメリカではシュプレヒコールをあげながらのデモが頻発。僕はネットでそのサインボードに書いてある言葉を調べ、それを猫に当てはめていきました。「Black Lives Matter」は訳すのがとても難しい、独特なニュアンスのあるフレーズですが、「黒人の命も大切だ」から転じて「すべての命が等しく大切」という意味に理解している。U2に「終わりなき旅」という曲があって、そのなかでボノは「I believe in the Kingdom Come/Then all the colors will bleed into one」と歌う。すべての色がひとつに溶け合う来世を信じている、という意味だけれど、ダイバーシティの問題を眺めながら僕の脳裏にいつでも流れる音楽はこの歌とジョン・レノン「イマジン」だ。人間も猫も犬も他のどんな生き物もみんな等しく幸せであるのがいい。
英語のフレーズは「GIVE ME A BED(寝床を!)」「SPOIL ME A LOT!(もっと甘やかせ!)」「LOVE NOT HATE(ヘイトではなくラブを)」「MAY ALL CATS BE HAPPY(すべての猫が幸せであるように)」、退屈と描いたヘルメットをかぶったポチ実、肉球の絵はBLM運動で象徴的に使われた拳を握ったイラストの猫版。ママンがシャーと威嚇し、お隣のリルくんが「DOGS TOO(犬もね!)」とたたみかける。小さな動物たちの訴えに耳を傾けたい2月。3月も4月も一年中ね。
Posted by monolog at 23:34│
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