あたたかい日が続いたと思うとまた薄暗く寒い週末がやってくる、というのを繰り返している。また今年も「サンカンシオン…」とフランス語風につぶやいてみる春の日。日曜日の夜にだらだらしていたらNHK FMで「ディスカバー・ビートルズ」の最終回が始まった。なんと21時から25時まで4時間、杉真理さんと和田唱さん、ビートルズ研究家の藤本国彦さんも加わって、とにかくビートルズ尽くしの放送でとても面白かった。リスナーが選ぶビートルズ楽曲ベストチャートがまたマニアックで、普通なら「イエスタデイ」か「LET IT BE」で落ち着くはずのところ、ベスト3にポール楽曲なしというひねくれてこじらせた感じもすごくよかった(聞き逃し放送を4月5日まで聴けるので結果は書きません)。
翌朝杉さんに「超面白かったです」とメッセージを送って、しばしビートルズ雑談。そのとき聴いていたのは中学生のときに作った、A面に「HELP!」B面に「REVOLVER」を入れた90分のカセットテープで、僕はそれを南九州一周の修学旅行にウォークマンに入れて持っていったので僕にとってはリバプールではなく南九州サウンズなんです、と持論を展開する僕に対して、杉さん曰く、高校受験のとき久留米の親戚の家に泊まってたときに出たのが『ホワイト・アルバム』だから「マザー・ネイチャー・サン」が久留米の田舎の風景のテーマと返ってくる。そんなふうにいくつかのビートルズ話を杉さんから伺うのは本当に楽しい。ポール・マッカートニーを初めて観たときも僕は杉さんの隣の席にいて、熱唱するポールと口ずさむ杉さんをかわるがわる眺めるのが至福だった。今週木曜日、杉真理さんのラジオ「アフタヌーン・パラダイス」にゲスト出演することになりました。また楽しいおしゃべりの続きを。
「LET IT BE」が好きになったのは10年前の東日本大震災のときかもしれない。先行きの見えないなか心細い気持ちで聴いていたラジオで流れた「LET IT BE」に自分でもびっくりするくらい感動したときから聞こえ方が変わったのだ。自分が12月8日生まれなのでジョンびいきの僕だが、ポールのすごさを改めて思う。ポールは何もかもを背負って歌い続けているのだな。僕が中学生のときから聴いているカセットがポールの「I'VE JUST SEEN A FACE」を鳴らす。この曲に「夢の人」という邦題がついていることをつい最近知った。