自宅玄関側の金木犀の木に、どうやらスズメバチが巣を作っているらしいとわかったのが先週くらい。大家さん経由で役所、そこから害虫駆除業会社へと伝わっていよいよ巣の撤去と相成った。金木犀の木を下から見上げると丸いかたまりが見える。「この時期にあそこまで大きいのは珍しいからもしかしたら去年のモノかもしれません」という業者さん、しかし木を揺らしてみるとハチがたくさん出てきて「いや、今年のですね」ということになった。
巣に駆除剤を注入する荒々しいやり方なのでちょっとハチが暴れるかもしれないそうで、両隣ご近所に一応報告するとお隣りさんは「ええっ!スズメバチ?見ていい?」とテンション高くうちの玄関にやってきて(刺された経験あるから知識も豊富)、通りすがりの人も色めきだち、2軒となりの親子なんかは水鉄砲を構えてやってきたから「ダメですよ!危険!」と僕はみんなを制する役回り。お隣のノアちゃんちは2階の窓越しに巣を駆除する様子をスマホで撮影しようとしてるし、みんなお祭り騒ぎである。業者さんは宇宙服みたいな防護服を来て支度をして作業を始めた。駆除剤を巣に注入するとたくさんのハチが木から飛び出してきて、やがてパタパタと地面に落ちていく。時間をかけて巣そのものを取り出す様は金木犀から心臓を摘出しているような雰囲気さえあった。大きさにして25センチくらいだろうか。巣の中にはハチの幼虫がうごめいていてゾッとした。
業者さんからスズメバチについての今後の注意とちょっとした知識を教えてもらった。クマよりハチのほうが人にたくさんの被害を与えていること。女王蜂がいなくなった働きバチたちはやがて餓死してしまうこと。スズメバチは音に反応して攻撃してくること。戻りバチ(朝出勤していって帰ってきたら巣がなくなっていて途方に暮れるハチ)の動静に気をつけること。ハチは夜には刺さないこと。スズメバチって思っていたより怖いことを知った2021年夏。僕の脳裏にはTHE NATIONALの「WASP NEST」(その名も「スズメバチの巣」という意味の歌)がずっと流れていたのでした。