2年前の夏に心臓のカテーテル手術をして以来、季節に一度の定期検診がある。今は悪かったところは完治して何の問題もなく暮らしてるけど、先週そして今週と検査やら問診があって病院に通うとやっぱり緊張したり検査結果とかが心配になったりする。心臓というのはやっかいなもので心理的な要因で簡単にドキドキしたり苦しくなったり脈がはやくなったりするということをこの2年で思い知った。つまり本当に心臓の具合が悪いのか、気のせいなのかの境界線が曖昧なのだ。いつも検診で先生に会う日になると「もしかして」とか「万が一」みたいなネガティブな思考に陥ったりして緊張するんだけど、診察室に入って担当の先生と向き合うと「うん、まったく問題ないですね」と事もなげに数分で診察は終わるのだ。今週もそうだった。
この2年で「心を締め付ける」とか「高鳴る胸の鼓動」とか、そういうポップソングの歌詞におけるクリシェみたいなフレーズを僕はもっとリアルに慎重に歌うように、書き綴るようになった。それは間違いなく怪我の功名である。おま、そんな簡単に「胸が痛い」とか言うなよなっていう、ハートの批評家的なオレが、いる。