2023年05月03日

追憶の one day

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ストリート・スライダーズの22年ぶりの再集結、デビュー40周年記念の日本武道館公演の日がついにやってきた。全然チケットが取れなくて、急遽開放されたステージ裏側の注釈付きチケットをなんとか入手。しかし友人から2階正面の席が回ってくる幸運(チケットが手に入らなかったラウンドテーブル北川くんに譲った)。スライダーズのライブを観るのは実に35年ぶりくらいだろうか。福岡で観たのが最後のはず。ハリーと蘭丸のJOY-POPSを観たのが2018年(このときのブログはすごくたくさん読まれてて今でもたまに引用ツイートされる)、変わらぬ4人のスライダーズを観るまでに実に5年もかかった。

中学生の僕らはみんなスライダーズにハマっていた。ある世代にとって通過儀礼だったと思う。サリンジャーとか太宰治みたいな。高校になってバンドを始めるときにコピーしたのはもちろんスライダーズ、TAB譜を見て一生懸命練習したから今でもだいたい弾ける。16歳の山田稔明が最初に組んだバンドの名前は、彼らの曲から取って「EMPTY HEART」にした。ストーンズもディランもレゲエも全部スライダーズ経由で勉強したから、僕にとってのロックの学校でもあった。

4人のシンプルなステージ、1曲目が「チャンドラー」なのは意外だったけどハリーの歌が力強くて安心して嬉しくなって、そこから90分あっという間の時間だった。「one day」という大好きな曲が始まったとき、“今”が“いつ”なのか一瞬わからなくなる感覚があって、とても美しい2本のギターの重なりにしびれた。高校生の僕が一生懸命コピーしたギターがその通りに鳴っていた。MCはメンバー紹介だけ。聴きたかった曲が2つ聴けなかったから、またスライダーズのライブが観たい。まだ足りない。

会場を埋め尽くした(文字通り360度2階のてっぺんまで全部)観衆の姿とか表情とかを見てるだけでこの日がどんなに特別なのかがわかった。終演後には高校時代に組んだその最初のバンドのドラマー赤司くんに偶然にも遭遇。ミュージシャン仲間もみんな興奮冷めやらず、みんなティーンエージャーみたいだった。帰り道の途中でこの日発表された秋のツアーのチケット抽選に申し込む。35年前に巻き戻ったみたいな気分。

これで終わりじゃなくて、新しい始まりなのが嬉しい。

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Posted by monolog at 22:02│Comments(0)