つい先週、キンモクセイのイトシュンが古民家に引っ越して、そこでバンドのプリプロ(新曲アレンジ)をやるというので、どんな家なのか興味があって出かけた。うちから車で1時間半走って、本当にここは東京かよという景色のなかにその古民家はあった。しっかりリノベーションされていて快適で、立派な梁があったり屋根裏があったり(イトシュンは僕に屋根裏なら自由に使っていいと許可をくれたよ)100年の歴史も感じられる。
で、その数日後にキンモクセイが都内にある笹倉慎介くんのスタジオで録音するというのを知って、うちからすぐ近くなのでまた遊びにいくことになって、それなら夕飯を長男堂のお弁当にしたら?と提案した。メジャーレーベルを経験した我々みたいなバンドはレコーディングとなるとすぐ出前とか贅沢なケータリングを欲するけれど、もうそういう時代ではないのだ。長男堂のお弁当はリーズナブルで、しかもとても美味しい。そしてまとめて頼むと店主による独特のイラストで掛け紙をつけてくれて場の雰囲気もちょっと和む、といいことしかない。僕もコロナ禍中のライブで密な打ち上げができないときなんかに長男堂のお弁当をメンバー分注文してささやかなお疲れ様会をしたものだ。
どうせなら僕が配達を、ということになり長男堂のお弁当をピックアップして、笹倉くんのスタジオへ2日間、夕飯時にキンモクセイの面々を訪ねた。僕もこのスタジオでソロアルバムのレコーディングを予定しているので、知り合いのバンドが作業しているのを見るのはイメージトレーニングになっていい。みんな知り合いだっていうのもいい。人のレコーディングは無責任なアドバイスとか適当なことが言えて楽しい。そして長時間音楽に向き合ってクタクタになったときに美味しいご飯があるっていうのは、やっぱりすごく大事なのです。配達のお駄賃で僕も同じお弁当をいただきました。
みんな美味しい美味しいと喜んでくれてよかった。長男堂のお弁当、お薦めです。