佐賀県唐津での初めてのライブ、満員御礼の盛況な時間と空間になりました。元々佐賀銀行唐津支店だったというこの建物、辰野金吾記念館の歴史的雰囲気も特別なものがありました。すべての音響機材や椅子のセッティング、入場受付まですべて自分たちでやるDIY、たくさんの地元の友人たちが手伝ってくれて、特に地元で活動するシンガーはちみつボイス☆知展さんには機材サポートで本当にお世話になった(ラジオにゲストまで呼んでくださって)。
7月は長い雨が続いた九州でしたが、梅雨明けとともに季節が進み、この日も猛烈に暑い日でした。開演直前にもうすでに汗だく。唐津出身のPLECTRUMタカタタイスケ、鳥栖出身の僕、そして彫刻家はしもとみお、3人でのアンサンブルは昨年名古屋以来でしたが、レパートリーを増やしてこの日限りの特別なメニューを演奏しました。「sound of science」から「愛すべき日々」は音源ではPLECTRUMアッキーがギターを弾いてくれていた曲だけれどそれをタイちゃんがなぞっているのも、バイオリンのフレーズをみおさんが奏でているのも不思議な感覚。2019年にタイちゃんにプロデュースしてもらった「魔法があれば」を彼の故郷の唐津で演奏するのも感慨深い。
そのタイちゃんとふたりで新曲「レモンティーと手紙」を。昔みたいに作ってすぐにデモを聴かせて褒めてもらった曲。みおさんと「月あかりのナイトスイミング」、このあたりで会場の音の響きをようやく楽しめるようになりました。続いてタイちゃんとみおさんとふたりで「No Man Break」も新鮮。ソロ代表楽曲の「hanalee」をバンド仲間のタイちゃんにハモってもらうのも新感覚でした。「シグナルとシグナレス」は僕がリクエストした、宮沢賢治「銀河鉄道の夜」に由来するPLECTRUMナンバー。僕にも「雨に負け風に負け」や、サビに「カンパネラ」が登場する新曲があったりする。宮沢賢治はクリエイターにとって大きなイメージソース。
お客さんとラララと声を合わせた「日向の猫」の一体感。PLECTRUM「Tears For Beers」、そして「houston」と続くロックパート、そして本編最後はこの日のイベントタイトル「記憶のブックエンド」のきっかけとなったPLECTRUM「ブックエンド」とGOMES THE HITMAN「ブックエンドのテーマ」をメドレーにして締めくくり。どちらも同窓会について歌った歌。懐かしい名前、思い出していく顔。みんなが元気でそして幸せでありますように。即興で歌った「記憶のブックエンド」のグダグダのあと、最後は「lucky star」でしっかり大団円。
若くして故郷を飛び出して東京に居着いてしまった僕とタイちゃん、ふたりともなかなか九州でのライブには尻込みしてしまうところがあるのだけど、今回たくさんのお客さんを前に歌を歌えたことは音楽をやめないで続けてきたご褒美みたいだなと思いました(タイちゃんもそうでしょう)。唐津でコンサートを開く機会を作ってくれたみおさんにも心から感謝。ご来場の皆さん、本当にありがとうございました。
とても暑い、夏の一日でした。